「メガネをかけると目が悪くなる」のウソ・ホント

「眼鏡をかけると目が悪くなる、視力が悪くなる」と思っている方、結構いると思います。

結論から言うと、

  • 度数の合っているメガネをかけることで目が悪くなることは基本的にはありません
  • ただし「目が悪くなる」の意味によっては悪くなっているように感じることはあります

という風になります。

「目が悪くなる」の意味が、一般に普及している意味と、眼科的な意味で異なってきます。

このあたりも踏まえて解説していきます。

目次

「目が悪くなる」の意味について

そもそもここの「目が悪くなる」の解釈について考えないといけません。

一般の人がいう「目が悪くなる」

「裸眼視力が低くなる」、特に「遠くが見えにくくなる(=近視)」を意味します

→対応は、メガネかコンタクトレンズ

近視に関しては以下の記事を読むとわかると思います。



眼科医がいう「目が悪くなる」

「矯正視力が悪くなる」を意味します

→対応は、原因の精密検査および治療

問題があるのはどっちの「目が悪い」!?

「裸眼視力が悪い」は「眼鏡をかければ良くなる」ということで、医学的には問題がありません。しかし、親や本人からすると、問題があることがある、ということです。今までとは違って「眼鏡をかけなくてはならない」からです。眼鏡をかけるという生活様式慣れる必要があり、眼鏡代もかかります。裸眼視力がよい方がいいわけです。

一方「矯正視力が悪い」は「眼鏡をかけても良くならない」を意味し、医学的にも問題があります。なぜ、矯正視力が低いのか原因をつきとめ、治療を行う必要があります。

どっちがより悪いかというと、「矯正しても視力が悪い」パターンです。

矯正しても目が悪い人は、なぜ視力が上がらないのかを精密検査して、その治療を行う必要があります。裸眼視力が悪いだけの人は、眼鏡・コンタクトをしてもらえればそれで終了です。

このことは、医療者と一般の方との認識の違いでよくあるケースで、下の記事も参考にしてください。

目が悪くなる時期・年齢について

一般的に目が悪くなる(裸眼視力が悪くなる)時期に関しては、小学生~中学生(高校生)ぐらいがほとんどです。これはなぜかというと、13~15歳くらいまで、身体が成長して大きくなるのと同様に、目も大きくなるからです。目の大きさが変わると、ピントの位置が変わって、近視になりやすくなります。

そしてその時期に眼鏡を掛け始めると、「あたかも眼鏡をかけたらからより目が悪くなった」と勘違いを起こします。メガネをしてもしなくても、目が悪くなっていく時期なのです。

また、子どもの時期は適切にメガネをかけないと視力が成長しないことがあります。

最悪の場合、視力が成長しないまま、一生視力が出ない目(弱視)になってしまう可能性があります。必要な子にはメガネは必要なのです。

以下ではそのような弱視の危険はない上で、メガネをかけるとどうなるのか、メガネをかけないとどうなるのかについて書いていきます。

メガネをかけることによって目はどうなる?

度数の合っているメガネをかけている場合

→見やすくなります。(当たり前)

眼鏡をかけることによって、外の風景が鮮明に見え、とても見やすく生活しやすくなります。眼鏡をかけることで、見やすい状況となり、ストレスもなくなり、目の負担も小さくなります。

その見やすい状態が普通の状態、と脳が認識するため、わざわざ近視を強くさせるような変化を身体が望んで起こす(近視が強くなる)ということは、考えにくいです。

ただし、メガネをかけた上でも(遠くにピントが合っている状態)、近くのものばかりを長時間見ていると、同様に調節反応が働くため、近視が進行する可能性はあります。

また、実際は身体の成長や病気などによって、ちょうどよい眼鏡をかけていても近視が進行することは普通にあります。

メガネをかけない場合

→見にくいままで変わりません。(当たり前)

屈折(近視・乱視・遠視など)で見にくい場合は、矯正が基本です。メガネが必要な視力に関しては、以下の記事を参考にしてください。

矯正したら見やすくなるのに、見やすい状況にしてあげないのは、それが親の意向だとすると軽い虐待とも言えるでしょう。

親が遠視・正視(裸眼で遠くがよく見え、手元が見にくくなる早期老眼タイプ)だと、子どもがメガネをかけることに抵抗を持つ人が一定数います。

基本的に進行した近視は戻りません。(少し近視が弱くなるケースはあります)

見やすい状態をメガネで作ってあげましょう。見やすい状態を作ってあげないと、学校の授業についていけなくなったり、悪影響が出る可能性があります。

度数の合っていないメガネをかけている場合

そもそも眼鏡を使っている意味がありません。見やすく生活するために眼鏡をかけるのに、度数が合っていなかったらかけても見やすくなりません。

完全矯正レンズがおすすめ

現在、メガネは度数のピッタリ合った完全矯正のメガネを掛けていた方が、近視が進行しにくいという説が有力となっています。

メガネをかけることで見やすくなる上に、近視進行効果もあるのですから、完全矯正メガネにしましょう。(掛けていて疲れない範囲で完全矯正が良い)

(Interventions to slow progression of myopia in children│Cochrane Database Syst Rev. 2020 Jan; 2020(1): CD004916.・・・こどもの近視予防という観点のレビューで200ページを超えるもの)

メガネを外したとき

メガネを外したときは、メガネを掛けていたときによく見えていた状態から一気に見えない状態になります。

メガネを掛けたことがない状態であれば見えにくいのが普通であり、そこまで気にならなかったかもしれません。

しかしメガネを掛けることによって見やすい状態からメガネを外すことで見えにくくなる状態を経験すると、メガネによって目が悪くなったと感じる可能性があります。

近視の原因について

遺伝と環境要因が言われていますが、細かく原因が何かまでは確実なことは言えず、はっきりとはわかっていない状態です。

遺伝要因はある程度あって、両親が近視の場合は子供も近視になりやすくなります。

環境要因もそれなりにあります。近視は明らかに近代社会で増えており、増え続けている傾向があります。現代では、スマートフォン、携帯ゲーム機、タブレットなど、近くを見る機会が昔と比べて非常に増えています。

近くを見続ける行為というのが、近視化に関与する可能性があると考えられています。(調節ラグ、etc…)

近視進行予防としては、一日数時間外の光を浴びる(外で遊ぶ)ことが子どもには良いとされています。

まとめ

  • メガネで視力が悪くなるわけではない
  • メガネに関係なく学童期は近視になりやすい
  • 見にくい状態にはメガネをかけて見やすくしましょう(我慢するメリットは何もありません)
  • 適切なメガネをかけていても近視は進行するが
  • 完全矯正のメガネが近視進行させにくいとされる

近視分野は人口的に非常に重要な分野ですが、いまだに細かなことはわかっていない状態です。

メガネで目が悪くなるわけではないですが

目が悪くなりやすい(近視になりやすい)時期とかぶることで勘違いが起きたり

メガネをかけると外したときに急に見えにくくなるので、このような勘違いが生まれていると思われます。

現在では、完全矯正メガネが一番近視進行を抑制する可能性があるし、見やすいのでおすすめです。

では、

完全矯正メガネをどこで作るのか・・・?に関しては以下の記事を参考にするとよいです。

参考文献
・Interventions to slow progression of myopia in children│Cochrane Database Syst Rev. 2020 Jan; 2020(1): CD004916.

メガネに関するおすすめ記事は以下からどうぞ。

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