こどもの視力の成長と、眼鏡の必要性について

こどもの視力の成長に関して。

目は適切な環境下にないと、視力は成長しません。

成長しないまま小学生程度を迎えると、生涯視力がでないままの状態(弱視)になります。

目次

年齢ごとの視力の正常範囲

まずは年齢ごとのおおまかな視力に関して。

  • 年齢 × 0.2~0.3 程度

と覚えてください。

  • 1歳では 1×0.2-0.3 = 0.2-0.3程度
  • 2歳で  2×0.2-0.3 = 0.4-0.6程度
  • 3歳で  3×0.2-0.3 = 0.6-0.9程度
  • 4歳で  1.0程度

生まれたての赤ちゃんは0.1も見えていません!ぼけぼけの世界を見ています。

ということです。1.0まで視力がでればゴールです。そこまでいけば心配はいりません。

それ以上は1.0でも2.0でも眼科医的にはあまり気にしません。眼科で言う視力とは、「矯正視力」のことです。

裸眼で視力がよければ一番よいですが、眼鏡をかけたら視力が出る状態というのは、医学的にはまったく問題がないということです。

視力検査は自覚的検査(自分で検査に答えて測定する検査)ですので、こどもの性格によっても検査結果が異なってきます。

落ち着いてしっかり検査できる子もいれば、集中できずに途中で検査を中断してしまう子もいます。

途中でやめてしまう子と、最後までできる子では、他に差がなければ最後までできる子のほうが視力検査の結果は良くでます。

つまり、検査自体がうまくできるかどうかで、結果も変わってくるということです。

なので視力が低くても他の検査結果に異常がなければ、必ずしも心配しなくてよいです。他に異常がない場合は、大人になるにつれて、検査になれるにつれて、視力検査の結果もついてきます。

視力の成長は止まる

年齢×0.2~0.3程度で視力は成長するとお伝えしました。

しかし視力が成長する期間は限られて、その期間を過ぎてしまった視力は、二度と上がりません。

視力が成長する期間は8歳くらいまで、と言われています。

個人差があるのでその年齢を超えてもトレーニングをすることはあります。

視力の成長の期間を逃して、視力が上がらなくなった状態・視力が低い状態のことを、弱視といいます。

視力の成長に必要なこと

視力の成長には、”適切に”目に視覚情報が入ることが必要です。

目に光が入ること

そもそも目は、目に光が入ることで成長していきます。生まれてから暗闇でずっと過ごしてきた子は、大きくなって明るい外の世界にでても、何も見えません。

現実的な例えでは、子供が目の近く(まぶた)などにケガをしたときなどに、眼帯をすること。これは目への光刺激を遮断してしまうため、視力の成長を妨げます。

小さいうちの眼帯は基本的にしないようにしてください。どうしてもする必要がある場合は、医療機関を受診して相談の上、必要最小限にしてください。

要するに、目は開いていて、光が入る状態じゃないと成長しないということです。

適切に光が入ること

適切に、というのはどういうことか。近視で眼鏡やコンタクトをしている人はわかると思いますが、それらを外したら遠くの方はぼけて見えませんよね?この、ぼけている状態というのは、目に光は入っているが、”適切には”光が入ってないということです。

”適切に”というのは、外の光が網膜上に集まっていることを言います。

しかしそもそも赤ちゃんは視力がぼけぼけですが、そのぼけぼけの中で光刺激を受けることで眼が成長し、体が成長するとともに目も大きさが成長し、網膜に光が適切に入るようになっていきます

そうしていく中で、光刺激を受け続けることで、視力が上がり、視界が鮮明になっていきます。

眼鏡の必要性

特に病気もない問題ない子であれば、普通目の中に光は入ってきます。(眼瞼下垂や、先天性の白内障など、病気がある場合は光が入らない場合があります。)

しかし、適切に光が入っているかどうかはその子の屈折値を測らないとわかりません。屈折値というのは、近視・正視・遠視の度数のことです。



眼鏡というのは、”適切に”目に光を入れ、見やすくするためのものです。

必要な子には、ないと”今”見えにくいだけでなく、”生涯”見えないまま(弱視)になってしまう可能性があるということです。

「眼鏡をかけると目が悪くなる」という迷信がありますが、近視の子に過矯正の眼鏡をかけると近視が進行しやすいという意味で、眼鏡の度数が強くなる=裸眼視力が悪くなる、という意味では、可能性はあります。しかし現実的には眼鏡だけが原因で近視が進行したと判断することは難しいです。眼鏡しててもしてなくても、子供の成長に合わせて近視が進行する可能性はあるからです。

一方、眼鏡が必要な子には適切な眼鏡をかけないと、視力が成長せず、将来何をしても視力があがらない目になってしまう可能性があるため、必要性を説明されたときには、眼鏡をかけるようにしましょう。

まとめ

  • 子どもの視力は年齢×0.2-0.3程度
  • 生まれたばかりはほとんど見えていない
  • 目に光が適切に入ることで、視力が成長する
  • 光が入らなかったり、適切に入らないと弱視になる
  • 弱視にならないように眼鏡が必要となることもある

子どもの視力成長に関しては、子どもは知る由もないので、親が知っておかなくてはいけません。

目の周囲をケガしたからといって、安易に眼帯を付けるのもよくないですし

何かあったときは眼科を受診しましょう。

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