病名で「〇〇症」という「しょう」を「症」と書くものは非常にたくさんあります。
- 高血圧症
- 脂質異常症
- 感染症
- 糖尿病網膜症
…など
一方、「しょう」を「障」と書く疾患は少ないです。
有名なのは、眼科領域の白内障と緑内障。
他に関節の病気として、肘内障や膝内障などがあります。
- 白内障
- 緑内障
- 一過性黒内障
- 肘内障
- 膝内障
- 顎関節内障
調べてみると、上のような疾患は見つかりましたが、他にもあるかもしれません。
少なくとも眼科は、白・緑・黒の3つです。
内障とは
これらの「障」を使う病名は、「内障」という単語で使われています。
というように、内部の障害のことを「内障」といいます。
目以外にも「内障」はありますが、「内障」の多くは眼科疾患であるためか、国語辞典にも上記のように「眼球内の障害」という記載があります。
目に内部に障害があるものを「内障眼(ないしょうがん)」と呼び、白・緑・黒(白内障、緑内障、黒内障)があります。古くは「底翳(そこひ)」と呼ばれていたようです。
一方、肘内障は肘の内部の障害、膝内障は膝の内部の障害、ということになります。
白内障
目のなかにあるレンズが濁ってきた状態を白内障といいます。
曇っていたり汚れたレンズのメガネをかけたら、度ありなし関係なく、見にくいと思います。
そういう汚れたレンズが目のなかに入っている状態が、白内障です。
多少の程度を含めれば、歳を取れば全員なります。全人類がなります。
緑内障
視神経が眼内圧によって圧迫、障害され、視界が狭まる病気です。
白内障と緑内障は何が違うのか?と聞かれることがありますが、書いてある通り目のなかの問題となる部分が違います。
白内障は水晶体というレンズの汚れ、緑内障は視神経の障害です。
ですので全く別の病気ですが、それぞれの病気が互いに関係することがあります。(非常に重要です)
黒内障
一過性黒内障、という言い方がメジャーです。
一時的に視界が黒く見えなくなる病気であり、一時的な目への血流の途絶が原因とされています。
一時的であるため、改善します。改善するというか、一時的で改善したなら「黒内障」だ、ということになります。
改善しなかった場合は完全に血管が詰まってしまった状態であり、基本的に治りません。
基本的に血流が遮断するには、
- 血管が収縮して内部が閉じる=攣縮(れんしゅく)
- 血管内に固形物(血栓)が詰まる=塞栓(そくせん)
の2パターンがあります。
いずれも血管の動脈硬化や高血圧性変化と関連しており、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの血管変化を来す基礎疾患があると起こりやすくなります。
網膜中心動脈閉塞症は、網膜血管の入り口から血管が急に完全に詰まってしまった状態で、急激な強い視力低下を起こしてそのまま見えない状態となります。
眼虚血症候群は、血管が完全には詰まっていないですが、内部がせまくてちょろちょろと血液が流れている状態が、長期間続くことで起こる病気です。放置すると難治性の緑内障となり失明します。
高血圧性眼底は、高血圧による血管が狭く細くなったりする病気です。単独では見え方に影響することはほぼないですが、上の2疾患とも「血管の変化」と言う点で関連します。
血管が詰まる病気で大事なことは、
詰まり具合によって目が見えなくなることも勿論なのですが
同様にして脳への血管なども詰まる可能性があるということです。
つまり、脳梗塞などの命にも関わる病気を起こしやすい可能性がある、ということになります。
まとめ
- 「内障」は内部の障害を意味する
- 眼科の内障は白・緑・黒
- 白は目のレンズの汚れ
- 緑は視神経の障害
- 黒は目への血流障害
- 肘内障は肘の内部、膝内障は膝の内部の障害
白内障の「しょう」が「症」ではなくて「障」であるのは
「内障」という単語からきているから、ということになりますね。
「内障」が付く病気は冒頭でも書いた通り
- 白内障
- 緑内障
- 一過性黒内障
- 肘内障
- 膝内障
- 顎関節内障
などがあります。
以上、内障雑学でした。
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