メガネ・コンタクト度数換算表*20Dまで記載

メガネとコンタクトレンズの度数は同じではありません。(3D以上だと異なる)

特に、度数が強い人はズレやすく、メガネとコンタクトが同じ度数だと見にくいことも十分にあり得ます。

今回はその度数換算表を載せ、度数がズレる原因などを簡単に解説、最後に原理的な計算式などを紹介します。

近視と遠視ではズレる度数の方向(プラスなのかマイナスなのか)なども変わってきます。

目次

メガネ度数・コンタクト度数換算表

多くの人は近視ですが、近視だけでなく、遠視も換算度数は変わっていきます。

換算表 近視の人(マイナス度数の表記)

-3.00D以下は同じ度数
  • 近視ではコンタクトの度数はメガネの度数より弱くなる(マイナスが小さくなる)

換算表 遠視の人(プラス度数の表記)

プラス度数の表記がないですが、「+」のことです。

3.00D以下は同じ度数
  • 遠視ではコンタクトの度数はメガネの度数より強くなる(プラスが大きくなる)

度数がずれる理由

コンタクトとメガネで度数がずれる理由は、コンタクトとメガネでは、

目の表面からのレンズまでの距離が異なるためです。

レンズの位置が異なると、そのレンズにより先に光が屈折するため、最終的な光の収束場所が変わります。凸レンズが分かりやすいので以下で説明します。(凸レンズ=遠視用レンズ)

凸レンズは光を収束させます。目の構造(角膜・水晶体)も、光を網膜に収束させるための構造なので、凸レンズ作用です。(凹レンズだと光を拡散させるので網膜に光が集まりません)

上のイラストを見れば明白なのですが、凸レンズの作用位置がずれると同じ方向に結像する位置がずれます

つまり

凸レンズ(遠視用レンズ)は、目より離れた位置にあると、その分、早い段階で光を収束させます。同じ度数のメガネ・コンタクトのレンズを使った場合、メガネの位置(目から離れた位置)のほうが、光を早く収束させる(網膜からより前方に離れた位置に集光する)ので、メガネのレンズのほう度数は弱くて済みます。

よって

遠視(凸レンズ)の場合

  • メガネの度数はコンタクトレンズの度数より弱く
  • コンタクトレンズの度数はメガネの度数より強く

となります。

近視(凹レンズ)の場合は、この逆になります。

  • メガネの度数はコンタクトレンズの度数より強く
  • コンタクトレンズの度数はメガネの度数より弱く

度数換算の計算式

  • コンタクト度数=メガネ度数÷(1-0.012×メガネ度数)
  • メガネ度数=コンタクト度数÷(1+0.012×コンタクト度数)

基本的にはメガネを持っていて、そこからコンタクトを合わせるパターンが多いので、一番目の計算式を使います。上の計算式を変形したら下の計算式になります。

0.012はメガネから目の表面までの距離、12mmを意味しています。

計算例(近視)

メガネが-3Dの近視の人

コンタクト度数=-3/ (1+0.042) = -3.5/1.042 = -2.8957…

売られているレンズは0.25D刻みなので、この場合は使うレンズは同じ度数でokです。

メガネが-3.5Dの近視の人

コンタクト度数=-3.5/ (1+0.036) = -3/1.036 = -3.3359…

売られているレンズは0.25D刻みなので、この場合は使うレンズは-3.25Dのほうが近くて適しています。

メガネが-5Dの近視の人

コンタクト度数= -5/ (1+0.060) = -5/1.06 = -4.7169…

この場合はメガネ-5.00Dに対して、コンタクトなら-4.75Dのほうが適しているとうことになります。

メガネが-10Dの近視の人

コンタクト度数= -10/ (1+0.12) = -10/1.12 = -8.9285…

メガネ-10Dの場合はコンタクトは-9.00Dがオススメです。(1Dズレる)

計算例(遠視)

メガネが+5.0Dの遠視の人

コンタクト度数= 5/ (1-0.060) = 5/0.94 = 5.3191…

遠視の場合はズレる度数のプラスマイナスが近視と逆になりますが、+5.00Dで0.25D分のズレであり、遠視がこれ以上に強い人は通常そこまで多くないので気にする機会は少ないです。

しかし無水晶体眼(水晶体がなくて眼内レンズを入れていない)の人の場合、多くは+10D以上の遠視となり(+10~15D程度)、メガネとコンタクトのズレがでてきます。その際の計算をすると以下のように大きくズレてしまいます。

+10Dの場合、コンタクト度数= 10/ (1-0.12) = 10/0.88 = 11.3636…→+11.25D

+15Dの場合、コンタクト度数= 15/ (1-0.18) = 15/0.82 = 18.2926…→+18.25D

角膜頂点屈折力の計算(専門向け)

そもそもの計算式として

眼鏡レンズでの実際の目での矯正効果というのが

  • A=L/ (1-(k+h)L)

A(D):眼の主点屈折力(眼鏡レンズの眼に対する効果)
L(D):眼鏡レンズ度数
k(m):眼鏡レンズ後面から角膜頂点間距離
h(m):眼の物側主点位置

で表されます。

角膜頂点での屈折力とすると、hはほぼ無視できて

  • A=L/ (1-kL)

A(D):眼の角膜頂点屈折力(眼鏡レンズの角膜頂点に対する効果)
L(D):眼鏡レンズ度数
k(m):眼鏡レンズ後面から角膜頂点間距離

となります。

ここで、kの値ですが、メガネは基本的に目の表面から12mmのところにレンズが来るように作られているので、上の式は

  • A=L/ (1-0.012×L)

となります。

これはメガネによる角膜頂点での屈折力が、メガネの度数から計算できるということです。コンタクトレンズは角膜表面に乗せているレンズなので距離はほぼ0と考えて、角膜頂点での屈折力=「コンタクトに換算したら」の屈折力となり

結果、上記式がメガネ⇔コンタクトレンズの屈折力の変換の式になっているということですね。

まとめ

  • メガネとコンタクトの度数は異なる
  • 近視の人はメガネよりコンタクトの度数は弱くなる
  • 遠視の人はメガネよりコンタクトの度数は強くなる
  • 度数の強い人ほど大きくズレる

ということになります。

どちらも近視・遠視が±3.00D以下の人は気にしなくてよいです。3.00D以上の近視・遠視がある人は、少しずつコンタクトとメガネの度数はずれていきます。

度数換算は概ねこれで合っていますが、実際の見え方として必ずしもこの度数換算通りにならないこともありますので、コンタクトを付けたときの見え方で判断しましょう。

「メガネ」に関する人気記事はこちら

コメント

コメントする

目次