点眼薬(目薬)についての豆知識と、どれくらいで点眼薬を使い切るかの目安を簡易計算して記載しました。
点眼1滴が何mlか分かると、点眼薬1本使い切るのに約何日かかるのかが分かります。
点眼薬1本を使い切る一般的なペースが分かると、その人に点眼薬を何本くらい処方すれば足りるかが分かります。
薬が足りなくなることは一番良くないですが、あまり過ぎても意味はないので、ある程度目薬の使い切るペースを把握しておくことは、大切かと思います。
目薬1滴の量
目薬1滴の滴下量は、40〜50μl(0.04〜0.05ml)と言われています。(目薬の粘稠度や点眼ボトルの形状により異なります)
目薬のボトルの多くは5ml分入っています。(一部2.5ml容量のものもあります。)
5mlの点眼ボトルで、1回滴下量を50μlとすると、5÷0.05=100滴分点眼することができる計算になります。1滴40µlで計算すると125滴分になります。これをもとにすると、5mlの点眼ボトル1本で使えるおおよその日数は、
- 1日1回片目の点眼では100~125日分
- 1日1回両目の点眼では50~62日分
- 1日2回片目の点眼では50~62日分
- 1日2回両目の点眼では25~31日分
- 1日3回片目の点眼では33~41日分
- 1日3回両目の点眼では16~20日分
- 1日4回片目の点眼では25~31日分
- 1日4回両目の点眼では12~15日分
- 1日6回両目の点眼では8~10日分
となります。
2.5ml容器では使える日数は上の半分になります(内容量が半分なので)。ラタノプロストなどの緑内障点眼などは1日1回点眼なので、両目に使っても2.5mlあれば25~31日分使えることになります。
これを参考にすると5mlボトルにおいて1か月に必要な目薬の本数は、
- 1日2回両目(計4滴) 1~2本
- 1日3回片目(計3滴) 1本
- 1日3回両目(計6滴) 2本
- 1日4回片目(計4滴) 1~2本
- 1日4回両目(計8滴) 2~3本
- 1日6回両目(計12滴) 3~4本
となります。1日6回両目点眼だと1週間~10日程度で1本が使い切る計算ですね。
正確に1滴を1回で目に入れることができた場合の使える日数が上記なので、
- ボトルを強く押しすぎてたくさん出てきてしまった場合
- うまく目に入らなくて何回も滴下した場合
は、上記より早く点眼容器は空になり、必要な本数が増えます。高齢者や点眼に慣れていない人は本数が多くなりがちです。
目に入らなかった場合は意味がないので再度滴下する必要がありますが、目に入っているのに2滴以上入れる必要はありませんし、点眼薬が早くなくなってしまい、無駄になるだけなのでやめましょう。
点眼薬ごとに1滴の量は多少変わります。点眼ボトルの先の部分の形状などにより滴下する液体の大きさが多少変わるからです。また、液体の粘稠度が高ければ1滴に落ちる量も多くなります。
目薬が目からあふれるのは普通
目薬の1滴の量が40~50µl(0.04-0.05ml)程度ということをお話しました。
一方、目薬をして目の表面に薬剤が広がるわけですが、目の表面(結膜嚢)に蓄えられる液体量は最大30µl(0.03ml)程度(個人差あり)と言われています。
目の表面には涙液が覆っており、目を乾燥から守っています。目の表面の涙液量は約7µl(個人差あり)あるとされます。
したがって点眼をすると、
40-(30-7)=17
50-(30-7)=27となり
点眼1回あたり、17~27µlくらいは目からあふれ出てこぼれ落ちることになります。
目薬の使用期限
開封前の使用期限はボトルのどこかに記載されていることが多いです。(だいたい2年先くらいまでの記載が多い)
一方、開封後の点眼薬は衛生面から1ヶ月程度で捨てた方がよいと言われます。
点眼ボトルには薬剤成分と、点眼液が汚染しないようにほとんどの場合、防腐剤が一緒に入っています。防腐剤が入っていても、やはり開封後は1か月前後で破棄したほうがよいです。
点眼ボトルの先がまつ毛に当たったり、まぶたに当たったり、フタを閉め忘れたりで内用液が汚染するからです。開封後長期間放っておいた目薬(液体成分)の中に、いったいどんなものが混じっているか、わかりません。菌などで汚染されている可能性があります。
たとえば開封前のペットボトルであれば(水でもお茶でもなんでもよいですが)、いくらでもとは言いませんが特に気にせず保管できますよね?? 一方、1週間くらい前に開けて飲み残していたペットボトルの中身、飲みたいと思いますか?(1週間ぐらいなら飲むかもしれませんが・・・)
これと一緒ということです。防腐剤が入っているからある程度(1か月程度)は大丈夫ですが、あまりにも長い期間放置していた目薬を使うのはやめたほうがよいということです。
防腐剤無添加の目薬では1週間で破棄したほうがよいです。
またコンタクトレンズをした状態で目薬をしてよいのかについては以下の記事をご参考に。
まとめ
- 目薬1滴は40~50µl(0.04~0.05ml)程度
- 5ml点眼ボトルは100~125滴分
- 結膜嚢の最大容量は約30µl(0.03ml)で涙液量が約7µlある
- 点眼後、差分は目からあふれ出る
- 目薬は開封後は1か月程度で使い切るか破棄することをおすすめ
点眼を回数通りに1回1滴で使えた場合の、月に必要な本数は上記を参考にしてもらえればよいかと思います。
異常なほど多く点眼をほしがる方には、ちゃんと点眼ができているか、無駄に何滴も使っていないか、場合によってはご家族に点眼してもらうか、など確認&対応していきましょう。
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