患者として病院にかかる以上、良い医者とめぐり合いたいと思うのは普通のことです。しかし、勤務する医師が複数人いる病院でどの医者が自分の主治医・担当医となるかは、運の要素がまずまずあります。
性格が合わない、医者としての技術・知識が心配、その他の理由で担当の医者を変えて欲しいと思った際に、どうしたらいいのでしょうか?
どうでもよい話ですが、「医者ガチャ」を医学文献検索サイトである医書.jpで検索すると、タイトルに「医者ガチャ」という用語が含まれているものが1件ヒットしました。(なんというタイトルを付けているんだ・・・)
担当医の変更は案外スムーズにできる
日本最大級の医者情報サイトであるm3.comのアンケートでは、約800人の医者によるアンケート結果で、約45%の医者が「担当医をかえて欲しい」と患者や家族に要望されたことがあるようです。そしてそのうちの約80%が実際に担当医を変更したことがある、という結果が得られています。
ただしコメントを見てみると、「通院の曜日を変更したため医者が変わった」という例も含まれていたため、「変えてほしくて変えてもらった」数としては正確ではないかもしれません。
それでも一度はそう思ったことのある患者さんやその家族、一度は担当を変更されたことのある医者もそれなりにいると思います。
担当医を変えて欲しい理由
担当医を変えてほしい理由としては以下のようなものがありました。
- 治療方針に納得がいかないケース
- 医者の態度、対応が悪い
- 性別による要望(男の医者がいい、女の医者がいい)
- 医者の年齢、能力による要望(若い医師で心配)
よくある内容ですね。
態度が悪かったり、コミュニケーションがうまく取れなかったり、自信がなさそうだったりしたら変えて欲しいと思うのもわかります。
しかし年齢や性別、見た目などで変えて欲しいと言われると、、、どうしようもないので変えざるを得ません(笑)
外来の担当医・主治医を変える方法
病院では外来と入院に分けられるので、別々に記載します。
外来の担当医を変える方法としては以下のようなものがあります。
- 受診する曜日を変える
- 担当医を変えて欲しい旨を伝える
- 病院を変える
①受診する曜日を変更する
簡単かつスムーズに変更できる方法です。
医者は外来担当日が決まっています。病院の規模やその診療科に勤務している医者の人数によって変わってきますが、平日週1-2回外来にいる医者もいれば、毎日外来にでている医者もいます。
外来担当表が公開されている病院は多いので、確認してみましょう。合わない医者がいない曜日に受診するようにすればその医者には会わずに済みます。
予約制の場合、「〇曜日でないと来れません。」「〇曜日が都合がよいです。」と言えば、その曜日に予約を取らざるを得ないため、その担当医がいない曜日を指定すれば担当医から外れることができます。予約制でなければその医者がいない曜日に受診するようにすればよいだけです。
相手に不快感を与えることもないし、何も気にせず「都合が悪いので受診する曜日を変更したい」と伝えてしまって問題ありません。
②担当医を変えて欲しい旨を伝える
次の方法としては、直接担当医を変更して欲しいことを伝える方法です。医者に直接言いにくい場合は、受付や看護師など別の職種に伝えるとよいでしょう。
看護師などに伝えた場合も、間接的にその担当医に情報が伝わってしまうこともありますが、配慮ができる人であれば担当医に話がいかないように他の医師へ伝えて変更してくれるでしょう。しかし受診する曜日が同じであれば、その担当医は外来にいるわけなので、顔を合わすリスクはあります。
③受診する病院を変える
新たな病院を探すことは手間かもしれませんが、通院する病院自体を変えればその医者と会うことはほぼなくなります。
医者は常勤と非常勤(バイト)を掛け持ちしていることが多いので、近所の病院やクリニックだと同じ医者がいることはありますが、その医者が嫌だったために病院を変えて、その変えた先の病院でその嫌だった医者がいた、なんてケースはかなり稀かと思います。というか事前にホームページなどで調べているでしょうから、普通はまず合わないと思います。
入院の担当医・主治医を変える方法
入院中は基本的に病院から抜け出せません。また基本的に毎日診察があるため、毎日担当医とは顔を合わすことになります。
したがって担当医を変えるには、「担当医を変えてほしい旨を伝える」方法しかありません。
伝える相手としては本人ではなく、やはり看護師や事務員、担当の上級医などの他の医師に相談するのがよいでしょう。
m3のアンケートでもあったように、病院側としてもわざわざ問題を増やしたくないので、ある程度は融通が利くことが多いと思います。
頻繁に変えられている医者はやばいけど自覚がない?
担当を変えてほしいと思われる医者は、受け持ち患者数が減るので仕事が楽になるかもしれません。しかし変えて欲しいと思われる理由としては
- 人間関係の問題
- 相性の問題
- 知識・技術的な問題
などの理由があるため、頻繁に受け持ちを変えられる医者はちょっとやばいかもしれません。
病院勤務の医者であれば担当患者が減れば仕事が減り自分は楽になりますが、代わりに診る別の医者の負担が増えます。開業医であれば患者さんが来なくなるので死活問題です。
また、医者側としては「自分は変えられたことはない」と思っていても、他の人経由で気付かないうちに変えられていた、ということも多々あるので自信満々でいると恥ずかしい思いをすることもあるかもしれません。
まとめ
- 主治医・担当医を変更することはできる
- 変更したことがある人、されたことのある医者もそれなりにいる
- 直接伝える以外に、受診する曜日を変える、病院を変えるなどの方法がある
臨床の医療は対患者での仕事なので、患者との良好なコミュニケーションを取ることは大切であり、重要な医者のスキルの一つだと思います。
しかしコミュニケーションが良好に取れるだけでも仕方がないので、しっかり診療できるための技術・知識を蓄えていく必要があります。
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