眼鏡店の有償眼科的検査はグレーかアウトかセーフか?

眼鏡店ではより客に合ったメガネを提供することを目的として、有償の検査を行っているところがあります。

果たしてそれはアウトなのかどうなのか、という内容についてと、そのサービスの内容に関して医療側からの意見、コメントをいたしました。

目次

取り締まられていないのであればセーフである

現状注意喚起などがなく、できている有償検査であれば、現状はセーフです。(あたりまえの話ですが)

しかし検査内容として、眼科で保険医療で行われている部分と似ている部分が多数あるため、同等として扱うのであれば医療行為になってしまうという点と、同等して扱わないのであれば民間医療のような存在になってしまいます。

そういう点ではちょっとグレーです。

実際には眼科検査と同様な検査が多い為、以下のような注意喚起があります。

日本眼科学会からの忠告

しばらく前になりますが、日本眼科学会から「眼鏡店における眼科検査について」という一般向けのページが作成されています。(→眼鏡店における眼科検査について|日本眼科学会)

  • 一部の眼鏡店がよりよい眼鏡作製のための検査として有償の検査をしている
  • 検査異常があった際、それを眼科的に異常とすると、無資格者の医療行為となる可能性がある
  • そうならないように結果をはっきり伝えないのであれば、検査を行う意味が疑問
  • 眼鏡で自覚症状が緩和すると眼科受診が遅れ病気発見が遅れる可能性がある
  • だから目に異常を感じた際は、まずは眼科に行きましょう

という提唱です。確かにその通りだな、と思う内容です。

しかし健常者にメガネを作成する上での検査であれば問題ないと思います。ただし健常者以外にも眼鏡屋を訪れる人はそれなりにいる、という点から上記項目に引っ掛かってくるため、かなりグレーなところだとも思います。

どのような検査をしているのか?

とあるメガネ会社の有償検査の項目を引っ張ってきました。

  • 眼球運動
  • 瞳孔間距離測定
  • 色覚検査
  • 屈折値測定
  • 両眼視検査
  • 夜間視力検査
  • コントラスト検査
  • 調節力検査
  • 装用テスト
  • リラクゼーション

これらの内容について、眼科サイドから検査項目について述べてみます。

眼球運動

保険診療の眼科検査である項目です。(D268 眼筋機能精密検査及び輻輳検査 48点)

眼球運動が悪い場合は、基本的には病気です。これを測っているということは、病気があるかないかを測っているようなものです。目の動きが悪いと複視(両眼で見ると物が二重に見える)を起こすことがあります。

→眼科へ行きましょう

瞳孔間距離測定

これは眼鏡を作る上で必須の検査です。

あえて有償の検査項目にいれる意味がわかりません。普通は無料です。

色覚検査

保険診療の眼科検査にある項目です。(D267 色覚検査 1アノマロスコープ70点、2その他48点)

頻度の多い色覚異常では視力は保たれており、異常はあっても実生活で大きな問題となることは多くはありません。

従って視力は保たれていることが多いので、眼鏡のレンズ度数を決める上ではあまり関係がありません。カラーレンズを使用すると見え方の感じが変わって、見やすくなったり見にくくなったりするかもしれませんが、すみませんがあまり詳しくはないです。

しかし異常があっても眼鏡店で診断はできないので、眼科へ行くきっかけにはなっても、医療機関でないところで有償でやってよい検査なのか?という疑問はあります。(これは他の検査も同様です)

屈折値検査

保険診療の眼科検査にある項目です。(D261 屈折検査 69点

初回の視力検査時には基本的に測る検査です。屈折値を測定してからメガネ合わせをするのが普通なので、これも有償サービスの項目に入っているのは意味はわかりません。ただし医療側では保険の効く検査としてお金がかかります。

両眼視検査

保険診療の眼科検査にある項目です。(D272 両眼視機能精密検査 48点)

大人の場合はもう両眼視の成長は終了しているので大きな問題はありませんが、子どもの場合は超重要です。視機能の成長は子どもの頃におこなわれるので、もし異常があったらすぐ眼科受診しましょう。

これも同様に判定してしまうのは医療行為と捉えられかねませんし、グレーです。

夜間視力検査

これは保険診療にはありません。

夜間は日中より視力値が下がりますので、夜間の運転や夜間外出が多い人には参考になる検査かもしれません。ただし正常値がいくらか?と言われるとよく知りません。

コントラスト検査

保険診療の眼科検査にある項目です。(D263-2 コントラスト感度検査 207点)

通常測ることは多くはありません。医療機関では「水晶体混濁があるにも関わらず矯正視力が良好な白内障患者であって、水晶体再建術の手術適応の判断に必要な場合に、当該手術の前後においてそれぞれ 1 回に限り算定できる」検査です。

白内障の手術前後に保険診療上測ってもよい人がいる、という検査です。

調節力検査

保険診療の眼科検査にある項目です。(D262 調節検査 70点)

以下同様です。

装用テスト

眼鏡を作成する前に、普通は装用テストは行います。その度数の眼鏡をしばらくかけてみて、見え方で疲れないかなどをチェックするものです。

普通無料で行うので、有償のサービスに入る理由がわかりません。

リラクゼーション

毛様体の緊張を取ることで調節を落とした状態で検査ができるようにする、というものらしいです。

マッサージのようなので利益を取ってよいと思いますが、果たして実際にどれだけ緊張による調節力を落とすのか不明確です。もちろん緊張が強い状態だとよい検査結果にはなりませんが、中途半端に緊張を取るだけだとするとそこまで大きな期待はないかもしれません。

眼科的には調節を取る点眼を使って屈折値を測ることがあります。(調節麻痺下屈折検査)これも屈折検査の一部に入っているので、点数としては69点です。

眼科で検査したらいくらになる?

これらの検査を眼科でしたらいくらになるか計算してみました。

  • 眼球運動 48点
  • 瞳孔間距離測定 無料
  • 色覚検査 48点
  • 屈折値測定 69点
  • 両眼視検査 48点
  • 夜間視力検査(基本はできない)
  • コントラスト検査 207点
  • 調節力検査 70点
  • 装用テスト 無料
  • リラクゼーション 屈折検査に重複

ここに、D263 矯正視力検査 69点 を加えて

計559点 →5590円です。3割負担であれば、1677円です。(他に初診料もしくは再診料はかかります)

基本初診料は288点、再診料は73点です。

初診の場合は合計で847点 8470円 3割負担で2541円です。

眼科のほうが安いですね。

全部眼科でできるか?と言われると病気を疑わなければ基本的にやらない検査もあるので、できるかは不明ですが。

まとめ

  • 眼鏡店の有償サービスは眼科検査とかぶるところがある
  • 病気の診断は眼鏡店ではできない
  • 結果の判定も医学的側面から行うことはできない(メガネ的側面からはok)

現状この有償サービスが問題なく行われているのであれば、現状は問題ないということでセーフです。

ただし上述してきたように、なかなかグレーな部分は多いとは思います。

しかし、「してはいけない」ということを強く伝えたいわけではないです。

対象としている相手も眼科が患者であるのに対して、眼鏡店はメガネを作りたい客、で異なります。

ただしメガネを作りたいと来た客の中に、眼科対象の患者が紛れているという点と、法律上のグレーな部分がでてきてしまうよ、ということですね。

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