眼鏡処方箋問題 眼鏡店は眼科に怒っている?

今回は眼科と眼鏡店の間にある、眼鏡処方箋問題について長々と書いていきます。

これはかなり昔から存在したようで、ネタとして書くことにしました。

ネット上で「眼鏡処方箋 保証」などと検索すると、眼鏡店の愚痴・悩みみたいなものが散見されます。

↑の眼鏡のグレー分野その②みたいな感じです。

※筆者は眼鏡店員と仲悪いわけではありませんし、非常に仲良くさせていただいている方もいます

目次

そもそもメガネを作るには

メガネを作るにあたっては

  1. 眼鏡店で直接メガネを作る方法
  2. 眼科で眼鏡処方箋をもらいそれを眼鏡店にもっていって作る方法

があります。

後者において眼鏡処方箋というものが出てきて、これによっていろいろ考え、悩みがあるようです。

眼鏡は医療機器である

詳しくはこちら↓に書いてありますが

眼鏡は薬事法に記載されている医療機器に分類されます。

「メガネが医療機器?!」と思うかもしれません。

一般的には、メガネはファッション、日常生活品という扱いです。ただし目の治療として使う場合があり、そのような眼鏡の使い方があるために医療機器とされています。

ただし眼鏡をかけているすべての人に、「それは医療機器なんだよー!」というつもりはありません。普通の人にとってはただのファッション、日常生活品という感覚でよいと思います。

眼鏡処方箋の流れ

眼鏡処方箋を用いてメガネを作る手順は

  1. 眼科で視力検査をする
  2. →希望者に対して、眼鏡処方箋を発行する
  3. →その処方箋を眼鏡店へ持っていく
  4. →眼鏡店はその度数のメガネを作成する(ことが多い)

という流れになります。

視力検査をしていれば、眼鏡処方箋を発行することで追加の費用がかかることはありません。処方箋を出しても実質無料です。詳しくは以下で書いてあります。

眼鏡店は会社・企業である

眼鏡店はメガネの売り上げがないと経営できないですよね。売り上げを出す企業努力が必要です。

こう言うと医療は利益を求めないのか?という話になるかもしれませんが、普通開業する人のほとんどは、利益を求めますし、経営する上で利益は必要です。

ただしその形態的な話をすると、医療機関と眼鏡店では違う、ということです。

どちらも存続する上で、必要な利益分を計算し、経営していく必要があります。

眼科に関わりのある眼鏡店、ない眼鏡店

地域や病院、クリニックに依りますが、眼科に眼鏡店員が来て眼鏡合わせをしてくれることがあります。

それぞれがどのように眼科に関わるのでしょうか。

眼科と関わりがある眼鏡店の場合

眼鏡店員が眼科に訪れて、視力検査をした患者さんに対して、その眼鏡店のメガネの購入を希望される場合は、医師が眼鏡処方箋を発行しその眼鏡店が受け取ります。

気に入ったメガネフレームがない場合や価格が希望と合わない場合は、その眼鏡店で購入しなくても大丈夫です。その場合はその眼鏡処方箋を持ってご希望の眼鏡店に行くことが可能です。(多くの眼鏡店が眼鏡処方箋を受け付けています)

眼科と関わりのない眼鏡店の場合

客が直接眼鏡店に脚を運んで初めてメガネ販売の可能性があります。

  • 眼鏡処方箋を持っている場合
  • 眼鏡処方箋を持っていない場合

がありますが、多くの場合は後者になると思います。希望のデザイン、価格などを見て購入をする際に、度数合わせを行います。客が処方箋を持って眼鏡店にきた場合に、間接的に(?)眼科と関わることになりますね。

眼鏡店は処方箋通りにメガネを作る必要がある?

一般的には、眼鏡処方箋を受け付けた眼鏡店は、その処方箋に記載通りのレンズのメガネを作成することが多いです。

これはなぜかというと、そういう歴史があるからで、それがマナー、それを新たに度数合わせをして作り直すのはタブーとされていた(?)ようです。

ですが、必ずその通りに作らなくてはいけないか?というと、そんなことはありません。処方箋から変えてメガネを作る眼鏡店もあります。

そもそも眼鏡処方箋は、眼科が保険診療でコストを取る際の名称として記載されているのみで、眼鏡処方箋自体に法的な効力は働いていません。

こんな中途半端な紙切れなのに、昔からの風習のようなものがあるせいで、主に以下の問題が散見されます。

  • 処方箋通りに作らなくてはいけないのか問題(印象的な面)
  • 度数が合わない際のメガネを作り直す際のコスト問題(コスト面)

処方箋通りだと明らかに度数がずれている場合

処方箋通りにそのまま作るところが多いですが、おそらくその度数で一度合わせてみて、装用感に問題がないか確かめた場合です。その際に元々の度数の見え方が悪く、新たに合わせ直した度数の方が本人が見やすいという場合にどうするか、という問題です。

基本的には本人の「見やすい」を元に、見やすい度数で作り直した方が本人の満足度は高いと思います。検査をしてみて、元の度数のほうが悪いのにわざわざその度数で作るのは、普通はしないのではないでしょうか。(それならわざわざ度数合わせをし直さないで処方箋通りに作った方が早いです)

ですが、その際に処方箋と違う度数の眼鏡を作ることが、その眼科へ悪い印象を与えるのではないか?という心配です。

個人的にはそのような印象は全く持ちませんし、作ってくれる眼鏡屋さんで判断してもらっていいと思います。日によって視力検査値は多少変わりますし、作る直前で合っている眼鏡のほうが本人も納得すると思います。

でもそうすると、何のための処方箋なの?という気もしますが、結局は法的効力をもたないただの紙切れです。とはいえ、わざわざ合ってない度数の処方箋を出すようなことはしませんし、その眼科での視力検査の結果をもとに処方箋を出しています。

処方箋通りのメガネを作ったら合わないと言われた場合

今度は眼鏡店が、受け取った処方箋通りにメガネを作った場合です。

処方箋通りに作ったのに、合わないと言われました。作ったメガネがどうしても合わない場合、作り直さなくてはいけません。その作り直す際のコスト問題があります。

その店が「〇ヶ月以内無償保証」としているのであれば、その間に作り直しを希望されたら保証しないといけないですね。

メーカーのレンズ自体の補償があるところもありますが、そうでない場合は作り直す際のレンズ代の負担は眼鏡店になります。どこのレンズを使っているかによってコストはかなり変わってきますが、高いレンズは値段が5桁はいきます。

さて、ここで思うわけです。

なぜ他者から言われた通りの度数で眼鏡を作ったのに合わないと言われ、その負担を自分がしないといけないのか?そもそもの処方箋の度数が間違っていたのではないか?

という意見です。

もっともな意見とも思いますが、以下のようにも思います。

無料保証するかどうかは店の問題である

売り上げを上げることが目標であるお店にとって、無料保証というのはその損失を自店が補うということです。無料保証するかどうかは自店が決めればいいだけです。

その損失分も踏まえた上で、利益を出すように価格設定、その他の費用も検討しなくてはいけないと思います。

なので、「眼科処方箋のせいで赤字だよ」と言いたいのもわかりますが、そもそも処方箋通りに作らなくてはいけないという法律もないですし、無料保証するかどうかは自店の問題でしょうと思います。

無料保証をやめたら・・・

  • 眼科医が無料保証の店を勧めるから無料保証をやめたら人が減る

という意見もありますが、そもそも眼科処方箋を持ってくる客がその店の客全体のうちどの程度なのかによって損失度合も変わります。

処方箋通りに作らないと・・・

  • 処方箋通りに作らなくてそれがのちにバレたらその眼科から悪い印象を持たれる

という意見もありましたが、処方箋から度数を変更して作っても、本人が満足している・視力がよく出ているなら普通の感覚の医師であればそれで構わないと思うと思います。

本人が満足しているメガネのレンズをチェックして、処方箋で出した度数と違うことを確認し、それをどこの眼鏡店が作ったのか、と執拗に確認したり憤るような医師がいたら、極力関わらないようにしたほうが良いですね。

作ったメガネに本人が不満であった場合は「なぜ度数を合わせ直して違う度数で作ったのか?」とは思いますが、その度数の方が見やすいとその日は感じていたから作ったのだと思いますし、仕方ないと思います。

度数がずれる理由

そもそもなんで度数がずれるのかに関しては、

  • 視力検査が毎回全く同じになるとは限らない点
  • メガネ合わせの技術的な点

があると思います。

視力検査は毎回同じ結果になるとは限らない

視力検査というのはその日の体調や天気やその他の環境などによって、多少のズレはでてきます。

その日完璧に合わせたとしても、それがその日以外では合わない可能性などもあり得ますので、眼科と眼鏡店どっちが正しい視力検査結果だったのか、と言われるとわかりません。

眼科で合わせても、眼鏡店で合わせても、後日作ったメガネをかけて見てみたら見にくい、ということはどちらでもあり得ます。

さらに、眼科にかかっている患者さんは目の疾患があるため、それによってさらに視力値は変動しやすいです。

結論、理由があって度数通りに作って欲しいときもあります(主に治療用メガネ)が、個人的には作ってくれる眼鏡屋さんにお任せです。

メガネ合わせの技術的な問題

視力検査の技術的な問題はあると思いますが、これはどちらもあると思います。

眼科では基本的には視能訓練士が行いますが、人手がないところでは看護師がやっているところもあります。更に人手がないところでは医師がやっているところもありますがごく少数です。

眼鏡店では、大手チェーンの眼鏡会社ではアルバイトもいれば、正社員もいます。おそらく眼鏡関係の資格を持っている人は多くはないでしょう。

老舗眼鏡店、個人店では眼鏡学校を卒業している人もいますし、現在は国家資格もあり取得されている人もいます。

アルバイトなどは除くとして、視能訓練士と眼鏡作製技能士の差がどうかと言われると、知りませんし、どちらも医師からしたら視力検査のプロです。

医師の視力検査レベルは低いと思っていいです。視力検査をすることが医師の仕事のメインではないので、やったことはある程度の人が多いかと思います。視力検査はできても精度が低い医師の方が多いですし、メガネ合わせ・メガネ作りというプロの仕事はプロにお任せです。

ただしどちらがより丁寧な検査をするかというと、個人的な意見ですが、眼鏡店のほうが丁寧だと考えます。理由は、眼科での視力検査はコストが高くなく、患者さんも非常にたくさんいるため、最適な眼鏡度数を合わせて検査をする時間的余裕がないのと利益面でのメリットが少ないからです。眼鏡店ではそこから眼鏡を売ることで利益が得られますから、そういう面で眼鏡店のほうが丁寧な検査をするのではないかな、と思います。

眼科は無料保証の眼鏡店を勧めるか?

これは人によると思います。個人的にはどちらでもよいですが

度数がズレやすい時期のメガネ作製は、度数がズレて見にくくなっても金銭的な損失が小さくなるように、安いメガネを作るようにオススメします。

また、患者本人の負担を考えると、保証がある方がいいとは思います。この点ではすみませんが、眼鏡店の負担までは考えていません。そもそもそこまで考えが及んでいない医師がほとんどだと思いますし、その点は保証の有無はやはり店の運営の仕方の問題かと思います。

眼科において患者にメガネの新調をお勧めするタイミングとして多いのは、白内障手術後です。もしくはずっと前のメガネを使用していて度数が全然あっていないとき。

白内障手術後で度数が元の度数からずれた場合は、日常生活で困る視力、運転免許の基準に満たない視力の場合は眼鏡の作り直しをお勧めします。

オススメする時期はいろいろです。

術後数か月は視力が不安定なので数か月してからメガネ作製をするのが一般的ですが、白内障手術前後で度数が変わって、メガネの度数も変えなくてはいけない状態で、数カ月間も見にくいメガネでの生活を余儀なくさせますか?という話です。

それでも生活に困らない人に関しては、そのままかもしくはしばらくたってからメガネを作り直しますし、度数が変わったことで見え方の苦痛がある人には、さっさと新しいメガネを作ったほうがよいと思うときもあります。

なので度数がズレやすい時期だとしても、人によっては、メガネが必要であり、そのときに作成したメガネはまた度数がズレる可能性も承知の上で、必要な人には眼鏡処方箋を出すことはあります。

眼鏡処方箋がなくなれば・・・

結局眼鏡処方箋というものがあるから

  • 処方箋通りに作らなくてはいけないのか問題(印象的な面)
  • 度数が合わない際のメガネを作り直す際のコスト問題(コスト面)

という問題が生じるので、眼鏡処方箋がなくなれば眼鏡店の

  • 処方箋通りに作らなければならないという風習とその度数がズレているときのジレンマ
  • 処方箋通りに作ったのに合わなかった際のレンズの費用の負担と怒りの矛先

はなくなるでしょう。

眼鏡処方箋がないと受け付けないパターンもある

処方箋がない場合に、矯正視力が出なかった際のメガネ作成ってどうしているのでしょうか。

しっかりしている眼鏡店は、メガネ合わせで矯正視力が出ない人がいた際に、眼科受診歴があるか・眼の病気があるかの確認、および眼科受診を勧めると思いますが

処方箋があれば眼科にかかっていることの証明と、その上で矯正視力がでないことの原因はその眼科でしっかり診ている(まともな眼科であれば)、ということになるので、低い視力でも眼鏡店はその度数の通りにメガネを作ることができるでしょう。

視力がでないのにそのままメガネを作成し自覚を改善させることは、眼科受診を遅らせて目の病気の発見を遅らせる、症状を悪化させる可能性もありますし、仮に客が眼科にかかっていますといっても、それが本当かどうかはわかりません。

また、実際に眼科にかかっていることがわかって、視力があまり出ず、眼鏡処方箋もない場合に、「眼鏡処方箋がないと作れません」という眼鏡店もそれなりにあります。

つまり眼鏡処方箋はそれを必要としている眼鏡店がある一方、悩みをかかえている眼鏡店もあるということですね。

まとめ

  • 眼鏡処方箋を出しても眼科に利益はありません
  • 本人が希望すれば処方箋通りじゃない度数のメガネを作成してもらって構いません
  • それだけで眼鏡店を悪く思う医師は普通ではないかもしれません
  • 眼鏡処方箋を持ってきた客に対してどう対応するかは眼鏡店の問題です
  • 無料保証をするかどうかも眼鏡店の問題です
  • 度数がズレやすい時期の患者への一時的なメガネ作成は安いものをお勧めします
  • 場合によっては保証ありの店を勧めることもあります
  • 眼鏡処方箋問題ですが処方箋がないと作らない眼鏡店もあります

現代社会において、メガネはなくてはならないものであり、眼鏡店もなくてはならない存在です。

しかし広く展開している大手チェーンを含めると、そこら中に眼鏡店はあります。

値段や質、保証の有無を踏まえてどの眼鏡店に行くかは、購入者本人の問題であり、その需要に合わせてどのように対策するかはその店を経営している眼鏡店側の問題だと思います。

眼鏡店の眼科への不満(この眼鏡処方箋問題)をちらほらネット上で見かけ、今回の記事を書きましたが、目という点でお互いが関わり合う分野であり、協力的な関係を築けたほうがお互いメリットが多いかな、と思います。

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