ドルーゼンとは?加齢黄斑変性の関連、白斑との違い、サプリメントなど

人間ドックや健診の眼底検査で、「ドルーゼン(drusen)」という用語が使われることがあります。

ドルーゼンとは何なのか

白斑とは何なのか

という疑問にお答えします。

目次

ドルーゼンとは?

眼底に見られる白~黄白色のダマ・点状のものです。

その大きさによって、軟性ドルーゼン、硬性ドルーゼンと分かれます。

また、reticular pseudo drusen(網状偽ドルーゼン)や、pachydrusen(パキドルーゼン)というドルーゼンもあります。(今回は割愛)

ドルーゼンがあると何なのか?というと

加齢黄斑変性(通称、AMD)という病気になりやすくなります。

ドルーゼンは加齢黄斑変性の前駆病変と言われているため、ドルーゼンがある人は加齢黄斑変性が発症していないか、たまに眼底チェックを受けたほうがよいです。

加齢黄斑変性とは?

眼科における重要疾患の一つで

長期間にわたって目の注射治療が必要となる、非常に厄介な病気です。

失明原因疾患ベスト5入りしている疾患で、重症な場合は視力を失います。

網膜の中心で見え方に非常に重要な役割である、黄斑を中心に網膜が障害されていくため、視力に直接影響して、状態が悪いと視力が極端にさがります。

しかも治療は、「眼内に注射する」という、普通に考えると非常に怖いイメージを持つ治療です。(麻酔すると痛みはほとんどないか、あっても一瞬です)

その前駆病変だからドルーゼンが大事、ということですね。

白斑とは?

こちらも眼底検査で見つかることがある、眼底の白い点々、もしくは白いもやもやの所見です。

こちらも軟性白斑と硬性白斑に分かれます。

この分け方は大きさではなく、そもそも種類が違います。

白斑で重要なのは、糖尿病網膜症です。

糖尿病は放置しておくと失明する疾患です。(こちらはランキング3位です)

それの、初期病変が硬性白斑、さらに悪い所見が軟性白斑、という感じです。

硬性白斑も軟性白斑も糖尿病網膜症以外で認めることも多々ありますが、やはり重要なのは糖尿病だと思います。

他に認める所見として(白斑と一括りにして)、高血圧、腎障害、血液疾患、自己免疫性疾患、など、非常に多くの疾患で認めます。

ドルーゼンと白斑の違い

眼底における所見ですが、見た目も少し違うし、それぞれの所見がある位置が少し違います。

  • ドルーゼン →黄白色(黄色っぽい)でベタッとした所見
  • 軟性白斑 →白いもやっとした所見
  • 硬性白斑 →黄白色の小さな点々、ころころ・つぶつぶした所見

という感じです。

  • ドルーゼンは網膜色素上皮という網膜の一番下の層の、その下に生じます
  • 硬性白斑は網膜の中にある、血管からでた血漿成分(タンパク質)が固まったものです
  • 軟性白斑は網膜の表層の細胞への血流障害で生じたむくみです

このような所見の違いがありますが、大事なのは

  • ドルーゼン→加齢黄斑変性
  • 白斑→糖尿病、糖尿病網膜症、高血圧、腎障害、その他全身疾患

というように、それの所見によって考えられる病気が異なってくる、ということです。

サプリメントについて

サプリメントに病気を治療する効果はありません。

ただし加齢黄斑変性においては、その前段階であるドルーゼンからの進行を抑制する効果が海外で報告されており、日本のガイドラインにも前駆病変、萎縮型AMDにおいて記載されています。

ビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチンが含まれた成分のサプリメントでそのような効果があったと報告されているため、それらを摂取することが望ましいと考えられます。

ですが、治療効果があるわけではありません。

予防に関しては、サプリメントではなく食事からでも摂取できますし、他に禁煙やなどが重要となってきます。

上記は眼科における製薬会社の一つの参天製薬から出ているサプリメントです。(販売価格は税抜き4600円/1か月分)

まとめ

  • ドルーゼンは加齢黄斑変性との関連
  • 白斑は糖尿病や高血圧、その他の全身疾患との関連
  • 加齢黄斑変性も糖尿病網膜症も失明する可能性がある
  • どちらも定期的な眼底検査が必要なケースが多い

眼底所見の記載を見ても、はっきり言って眼科関係者以外、意味不明な用語ばかりだと思います。

眼底検査で引っ掛かったら、ひとまず一度眼科を受診しましょう。

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