【研修医・医学生向け】眼科の特徴 仕事・QOLの真実

眼科の特徴に関して書いていきます。

主にどのような仕事になのか、仕事上の特徴はどういったことがあるのか、QOLはどうなのか、などについて遠慮なくガンガン書いていきますので、ご参考にどうぞ。

とはいえ、筆者は研修医とその後は眼科しかメインにやっていないため、他の科との経験上の比較はできません。比較と言うより、眼科がどのような科かを紹介いたします。

目次

目しか診ません診れません

「医者なのに全身管理もできない」「命に関わることがない科」などと揶揄されることがあります。

まったくもって、その通りです。

眼科医は基本的に眼とその周辺(眼瞼、眼窩など)程度しか診ることができません。

そしてその領域の病気は、命に関わることはほとんどなく(稀にあります)、全身管理をすることもほとんどありません

研修医時代に培った全身管理のレベルがどの程度かは人によると思いますが、このようなほとんど命を扱わず全身を扱わない科で働いていたら、あたり前ですが全身管理の方法は忘れていきます。

これを別にかまわないと思えるか、嫌と思うか、それはその人次第です。

一方で、眼のことは眼科医以外はほぼ診れません。コンタクトバイトなどは眼科医以外もやっていたりしますが、あの程度は眼科診療ができているとは言えません。

良い言い方をすると、「専門性が非常に高い科」ということになります。

眼しか見れず、眼のこと以外は診れない、しかし眼のことは我々以外にはできない

と言う感じです。

そして眼科に限らずですが、命を直接扱わない科は他にもありますよね。また全身管理をするにしても、基本的にすべてを自分自身で診るというよりは、専門的なことは適宜コンサルトして診てもらうというのが、現代では多くの病院で行われています。

総合診療、家庭医、へき地医療、島医など、さまざまな疾患をオールマイティに診ていく医師もいますが、その他は一般的には専門分野をもって、専門的な治療を行っていく医師が多いかと思います。

ただし内科医などではサブスペシャリティで臓器を選んでいくわけなので、専門ではない内科領域もある程度は診れて、その上で自分の得意な分野がある、という感じかと思います。

眼科医はまず眼しか診ない・診れないので、その専門性がとがっていると言えます。

広く浅くか、狭く深くか。

眼科医は眼しか診れなくなります

外来が主戦場

これはいろんな科ごとに多少異なってくると思いますが、眼科は外来がメインの科です。

手術も全科の中で一番多い科ではありますが、入院期間は短く、また現在では日帰り手術が行われているところが増えてきています。長期間入院して治療を行っていく疾患はかなり少なく、すぐ退院して、その後は外来でフォローしていく形となります。

結局は手術をしても、それ以降は外来で診ていくことが普通なので、外来メインということです。そして、入院期間が短い分、退院後すぐにたくさんの外来患者がやってくるため、外来は混みます。

なので、外来診療時間中は非常に忙しいですが(患者が多ければ)、外来が終わったあとは入院患者がいれば診察をしますが、深夜までかかる、日をまたぐ、深夜に呼ばれるなどということは多くはありません。(職場の環境に依ります)

日中は忙しく、夜はそれなりの時間には帰れることが多い

患者さんの入院期間は短い

先ほど少し述べましたが、眼科の患者の入院期間は短いです。

白内障手術、硝子体手術、その他でも、現在は日帰り手術が多くなっている状況です。事情により入院手術しか行っていないところもありますが、そのような場合でも基本的に入院期間は短いです。

したがって、患者さんが入院→退院→次の患者さんが入院→退院→・・・の繰り返しとなり

入院患者さんの入れ替えは非常に多いです。これがどういうことを招くかと言うと、入院・退院の手続きが非常に多くて雑務が多い科でもあります。

また手術をすればした分だけ、術後のフォローが必要となるので外来患者も多くなります。

入退院の事務作業が半端なく多い

手術を極めても、極めなくてもok

眼科は全科で一番と言っていいほど手術件数が多い科です。

全人類が歳を取るとなる、白内障という病気があるからです。(老化現象と言ってもよいと思います)

白内障は老化現象のため、程度に差はあれ歳を取ればみんななります。

その白内障に対する白内障手術を行うのは、眼科医です。

したがって手術ができることは非常に重要ではありますが、かといって手術が苦手で手術をしていない眼科医・開業医もあります。

また、マイナー外科という括りに入ったりする眼科ですが、外科的な疾患だけでなく、内科的(?)疾患というか薬剤治療がメインの疾患もたくさんあります。

全身疾患を直接管理することはほぼないですが、全身疾患から眼への合併症が出る疾患はたくさんあり、他科と連携することも多いです。中には、眼に先に所見・症状がでて全身疾患を調べるようなこともあります。

また、神経眼科という分野では、脳神経と眼球運動、眼位、斜視などという頭を非常に使うような考える領域もあります。

眼科の中で、外科というスタイルもできるし、内科スタイルで診療していくこともできるのが特徴です。ただし多くの眼科医は白内障手術は程度に差はあれできる人が多いです。

眼科はマイナー外科だけど薬剤メインの治療もある

患者満足度が高い治療が多い

眼科における治療は、患者満足度が高いものが多いです。

治療を行うことで、患者さんが自身が「よくなった」と実感してもらえることが多いです。

代表的な疾患が、先ほども述べた白内障です。

(正確には患者満足度が高い疾患が多いと言うより、全人類がなる白内障があるため、その治療をすることで患者満足度が高くなりやすい、ということです)

白内障手術はくもりガラスを装着しているような状態であり、見にくく感じます。白内障手術ではこのくもりガラスを取り除いてあげるようなものなので、見え方が改善して喜ばれることが多いです。

視覚情報は人間が得る情報の8-9割を占めるなどと言われています。人にとってとても大切な目、その治療をできて、喜ばれるという点は、働く上での精神衛生上にもよいと思います。

ただし患者満足度が高くない重要な疾患もあります。緑内障です。

緑内障は治療しても治りません、悪化するのを遅らせる、防ぐだけです。手術治療をしても、同様です。むしろ術後は一時的に見え方が悪化することも多く、感謝されにくい領域です。

しかし、日本における失明原因の第一位が緑内障という、緑内障治療は現代日本において非常に重要な内容です。

患者満足度の高さは、仕事を続けていく上ではそれなりに重要な意味を持ちます。感謝されて嫌な気持ちになる人はめったにいません。普通は嬉しくなったり、やりがいになったりするわけです。

眼科の中の患者満足度が低い緑内障は、手術しても目に見えてよくなったり、患者さんが喜ぶことは少ないです。緑内障を専門にしている眼科医は、辛く感じている人が多いです。

白内障手術治療の患者満足度は高い

QOLは病院の環境、手術をどれだけするかで変わる

QOL、ここでは仕事以外の時間を十分に使えるかどうか、つまり長時間勤務や時間外呼び出しが多いかどうかについてです。

これはあたり前といえばあたり前ですが

  • どのような病院で働くか
  • 人員が充分にいるか
  • 手術をどれだけするか

によって変わってきます。

よく眼科は「9-17時勤務のQOL良好で楽な科」と揶揄されます。

眼科医が循環器内科の医師より忙しいか?と言われたら、「それはない」とは言えます。が、全国どの病院の循環器内科よりも暇か?と言われれば、それもないと言えます。

  • その病院にどれだけ患者が来院するのか、集まってくる病院なのか
  • その病院でどれだけ緊急手術や時間外受診を受けるのか
  • その病院にどれだけ人員がいるのか

という、職場の環境によって忙しさは大きくことなります。

  • 患者数が多かったり、他の医療機関から患者が集まってくるようなところは忙しくなります
  • 時間外受診や緊急患者・緊急入院・緊急手術に対応しているのであれば、忙しくなります
  • 人手不足であれば、忙しくなります

また、外来メインの科ですが、白内障しかり手術治療は非常に多い科です。

手術をたくさんしようとすれば、それだけ担当患者が増え、入院外来でも診ていく必要があり、どんどん忙しくなります。手術はほどほどに、やり過ぎないほうが忙しさも抑えられます。

忙しさは職場環境と手術をどれだけするかで変わる

診察室も手術室も暗い

眼科の診察室は暗いです。

光を使って眼を診察するため、周りが明るいと見にくいため暗めの診察室となっています。

同様に、眼科の手術でも部屋を暗くすることがあります(硝子体手術)。

いつも暗いため自分が手術したり診察していれば平気ですが、活動していないと眠くなります(?)

私も昔はよく寝ていました(!?)

診察室も手術室も暗くて眠くなる(?)

眼科は女医が多い

眼科は女医が多いです。

科に関係なく病院・環境によって忙しさは違うと言いましたが、それでもやはり本当に忙しい科と比べると、忙しくないからだと思います。

ただし職場選びを間違えると、とんでもなく忙しい病院だったりすることはあるのでQOL重視の方はよく確認を。

手術は座って行い、短時間で終わる

眼科の大抵の手術は座って顕微鏡下で行います。

また手術時間も数分から長くても数時間程度です。

3時間を超えるような手術は現代ではめったにないので、長く疲れるというより、短い手術だけど件数が多くて結局時間的には長くて疲れる、という感じです。

立ちっぱなしの長時間の手術よりは圧倒的に快適だと個人的には思います。

眼科医はメガネばっかり

眼科医はメガネユーザーが多いと思いませんか?

多いと思います。

詳細は以下記事をご覧ください。

まとめ

ということで眼科のまとめです。

  1. 眼科医は目しか診れません
  2. 外来がメインで日中は忙しい
  3. 深夜に呼び出されることは少ない
  4. 入退院の入れ替えが多い
  5. 手術件数は全科トップクラス(白内障手術のおかげ)
  6. 白内障治療は患者満足度が高い
  7. 手術以外のサブスペシャリティもある
  8. QOLは良い方だが、病院・手術数によってはそうでもない
  9. 眼科は女医とメガネユーザーが多い
  10. 診察室も手術室も暗くて眠くなるかも(?)

他にもいろいろと書けそうですが、長くなってきたのでこのくらいにしておきます。

何か聞きたいことなどありましたらコメントしてください。

私自身ももちろんいろんな科を実習・研修してきましたが、最終的に専門を眼科にして、他の科にすればよかったなと後悔したことはありません。(手術ばかりで忙しいですが・・・)

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