瞳(ひとみ)という用語は目の中の一部を指す言葉ではありますが、使われ方がいろいろあり、わかりにくいのでまとめました。
瞳(ひとみ)とは?
辞書やwikipediaによると、瞳は以下のように記載があります。
1.目の虹彩、あるいは虹彩と瞳孔(どうこう)のこと。黒目。「青い―」「つぶらな―」
コトバンク、weblio辞書
2.瞳孔。どう。「目薬で―を広げる」「入射―」
3.比喩的に、目。また、視線。「―を閉じる」「―を凝らす」「まっすぐな―」
[補説]「瞳を輝かせる」というときは、文脈により1または3の意。「―を覗き込む」「―の奥」「―に映る」「澄んだ―」なども同様。
瞳(ひとみ)は、動物の目の虹彩と瞳孔のこと。いわゆる黒目。
Wikipedia
すなわち
- 虹彩+瞳孔のこと(広義の黒目)
- 瞳孔のみのこと(狭義の黒目)
- もしくは虹彩のこと(茶目)
- 目のこと(比喩的に)
を指すようです。要するに、4種類の可能性がある、4種類を指せる言葉であるのです。
黒目という言葉がでてきましたが、黒目は引用では①虹彩、②虹彩+瞳孔、③瞳孔の3つの意味になっています。黒目、白目、茶目などに関しては下記に詳しく書いています。
「瞳を閉じて」の意味は、「目を閉じて」となるのが普通でしょう。
虹彩を閉じるとは言いませんし、瞳孔は閉じたり開いたりしますが、自分で動かすことはできません。
瞳孔(どうこう)とは?
瞳孔とは、虹彩の中心のすき間のことを指します。
覗き込んでみても、基本的には暗く、黒色に見えます。その隙間の先にはすぐに、水晶体があります。
光の通り道の、すき間が瞳孔です。
瞳孔の大きさは、その周囲にある虹彩(後述)によって決まります。
光を当てると(まぶしいところに行くと)、瞳孔が小さくなる反応を、対光反射といいます。眼内へ入る光の量を、虹彩を動かし瞳孔を調節することでコントロールします。
虹彩(こうさい)とは?
日本人だとほとんどの人が茶色をしています。
白人など色素の薄い人の場合、グレーや青や緑など、いろんな色をしています。
虹彩は筋肉でできています。勝手に動く不随意筋なので、自分で動かすことはできません。
- 明るい場所では瞳孔が狭くなる(縮瞳)ように
- 暗い場所では瞳孔が広くなる(散瞳)ように
動き、光の流入をコントロールします。
虹彩が動くことで、結果的に瞳孔の大きさが大きくなったり、小さくなったりするというわけです。
瞳孔は虹彩の間のただのすき間ですからね。
黒目(くろめ)とは?
黒目とはどこを指すのかは、以下のような記載があります。
眼球の中央の黒い部分。角膜の部分。くろまなこ。くろめだま。
コトバンク
眼球の中央の黒い部分。くろめだま。→白目
weblio辞書
これは上の二つの辞書では一致していました。
これは実際には黒いのではなく、中からの光・明るさがないので、暗く見えるだけです。黒の色がベタ塗りされている訳ではありません。光がないから暗いのです。
電灯が少ないトンネルの中は暗くて、遠くから見ると黒く見えるのと同じです。
黒目=角膜の部分、という記載がありますが
角膜は「虹彩+瞳孔」の前方にある、透明な膜であり、黒くはありません。
透明なので、その後方にある、虹彩と瞳孔の色がそのまま見えるので、黒目=角膜の部分という記載になっています。
まとめ
- 瞳(ひとみ)の意味は①瞳孔、②虹彩、③瞳孔+虹彩、④目全体
- 黒目と同じ意味として使われることもある
- 黒目は①瞳孔、②瞳孔+虹彩を指すことが多い
平井堅の曲で「瞳をとじて~君を描くよ~」とありますが、あれは「目を閉じて、君のことを(頭の中で)思い描くよ」という意味です。(勝手に想像)
瞳孔は目薬を使ったり明るいところに行けば閉じますが、「目薬を使って、君のことを思い描くよ」とはなりませんし、「明るいところに行って、君を思い描くよ」とはさすがになりません(?)
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