交感性眼炎と原田病の鑑別 疫学・前駆症状・HLAなど

交感性眼炎(sympathietic ophthalmia)についてまとめました。

ご存じの通り「交感性眼炎は穿孔性眼外傷・眼手術後の原田病」です。

ほんの少しの違いや歴史的な背景も記載します。

目次

概要

  • 片眼性の穿孔性眼外傷・眼科手術後に生じる、両眼性のぶどう膜炎
  • 症状はVogt-小柳-原田病と同一である
  • 外傷・手術既往のある眼を起交感眼、反対眼を被交感眼という
  • 発症時期は、2週間~数か月後が多い(70%程度)が、数年後のこともある
  • 発症率は穿孔性外眼症で0.2-0.5%程度、手術後で0.01-0.05%程度とされている
  • 原田病と異なり、人種差はないとされる
  • 眼外傷が男性に多い為、やや男性に多い

歴史的には交感性眼炎は原田病より古くから認められていたようです。

症状

  • 原田病と同様

感冒様症状も前駆症状として同様に認めることがある

診断

  • 原田病と同様の所見を認め
  • 穿孔性外眼症、内眼手術の既往があること

HLA-DR4も同様に陽性であることが多い

治療

  • 原田病に準ずる
    →ステロイドパルス療法、後療法

発症後2週間以内に起交感眼を眼球摘出すると、被交感眼のぶどう膜炎が慢性化せず予後がよいという報告がある

注意点と考察

現行の診断方法としては、

  • 原田病の所見・症状があり、穿孔性外眼症・眼科手術の既往があること

となる。原田病との違いは「穿孔性外眼症・眼科手術の既往があるか、ないか」だけであり

あれば交感性眼炎、なければ原田病という診断になる。

一方で、たとえば昔に原田病を発症した人で、内眼手術をその後受けた人が再度原田病を発症した場合など、原田病の再燃と考えるほうが自然と思われる場合もあるかもしれないが、診断基準上は手術既往ができてしまったため、「交感性眼炎」という病名になる。

まとめ

  • 交感性眼炎は穿孔性眼外傷・眼手術後の原田病
  • 人種差はなく、性差は外傷が多い男性のほうがやや多い
  • ほか、症状・所見・治療はすべて原田病に準ずる

Vogt-小柳-原田病のなかの原因の一つとして、穿孔性眼外傷・眼手術がある、としたほうがすっきりするような気も個人的にはしますが、

本症と思われる記載はヒポクラテスの時代からあり、文献としては 1830 年のマッケンズィ(William MacKenzie)の記載が最初であるそう。一方、vogt-小柳病、原田病はそれぞれ1909年、1926年に報告され、同一疾患としてvogt-小柳-原田病となっています。

ほぼ同一疾患の2つですが、歴史的背景からこのように分かれたままなのかな、と推測します。

ほとんど同じ疾患なので、詳細は下記をご参照ください。

・眼科学
・炎症性眼疾患の診療・14 交感性眼炎|臨眼 62(5):650-655,2008

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