視力検査表の一番上のランドルト環(Cの形の図)は、0.1の視力に相当します。
視力検査は正式には5mの距離で行います。その距離で一番上の図柄の開いている方がわからなかったら0.1未満の視力となりますが、その際の0.1未満の視力の測り方について書いていきます。
また、視力を数値で評価できるのは0.01までですが、それ未満の視力についても書いていきます。
視力0.1~0.01までの測り方
正式な視力検査は5mの距離で行われています。
5mの距離で一番上のCの向きの解答が不正答だった場合、視力は0.1未満となります。しかしそれ以上大きな指標はないので、距離を変更することで視力に換算し視力を求めます。
本来5mの距離での視力0.1の指標ですが、それを4mの距離で正当した場合、距離4/5をかけて、0.1×(4/5) = 0.08の視力となります。
このようにして距離の比を取って視力を求めます。
1mで正当した場合は0.1×(1/5) = 0.02となります。
最終的に距離0.5mでの視力が0.01となり、それ以上はランドルト環では測れません。
0.01未満の視力
視力を数値(0.01、0.2など)として表す場合は上記のようにランドルト環を用います。
それ以下の視力は、以下の3つがあります。
- 指数弁
- 手動弁
- 光覚弁
指数弁
- counting fingers : CF
- numerus digitorum(ラテン語) : n.d.
眼前に提示した指の本数がわかるかどうかで判断します。
正答した眼前の距離を使用し
- 50cm指数弁(50cm/ n.d.)
- 30cm指数弁(30cm/ n.d.)
などのように記載します。
手動弁
- hand motion : HM
- motus manus(ラテン語) : m.m.
眼前に提示した手の動きがわかるかどうかで判断します。
わかれば視力は HM、m.m. などと記載します。
光覚弁
- light perception : LP
- sensus luminis(ラテン語) : s.l.
目に光を当てて、光を感じることができるかどうかで判断します。
わかれば LP、s.l.などと記載します。
また、光覚を細かく測るときは、明るい部屋ではなく、暗い部屋で測ります。暗い部屋での方が光は感じやすくなるので、暗室での光覚の方が視力としては低くなります。( s.l.(明室) > s.l.(暗室))
光覚なし(暗室)
暗室で光覚なしは医学的失明です。(完全に光を失った状態、視力ゼロ、全盲)
以下のように表記します。
- no light perception : NLP
- s.l.(-) (エスエル マイナス)
0.01未満の視力の順番
視力としては、良い方から
- 指数弁>手動弁>光覚弁(明室>暗室)
となります。
身体障害者手帳での取り扱い
数値として測れる視力(0.01まで)は、そのまま記載します。
それ以下の視力(指数弁、手動弁、光覚弁)の場合
- 指数弁→視力0.01
- 手動弁→視力0
- 光覚弁→視力0
として扱います。
まとめ
- 視力検査表の一番上の指標は視力0.1に相当
- 視力0.1~0.01は指標の距離を5mから近づけて計算する
- 0.1×(検査距離/5)が視力値となる
- 0.01以下の視力は、指数弁、手動弁、光覚弁で測る
- 指数弁は視力0.01、手動弁・光覚弁は視力0として扱う
近視人口が多い世の中のなので、裸眼視力0.1未満の人はそこら中にいます。
また視力検査は正式には5mの距離で行いますが、3m用や覗き込むタイプの視力検査もあります。
どちらも5mと同じ大きさの指標だと距離が近くなるため同じ視力を表してはいません。すなわち距離が近いタイプの指標は5m用指標より小さくなっています。
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