しばらく前からブルーライトカットは話題になり、たいていのメガネ屋でブルーライトカットレンズのメガネが販売されていますね。
あなたはブルーライトをカットしますか?結論としては、
ブルーライトはカットしなくてもよいです。(してもよいです)
本記事では
- ブルーライトとはそもそも何なのか
- ブルーライトがどのような影響を与える可能性があるのか
- 最近の研究結果ではどうなのか
- 眼科学会の方針としてはどうなのか
以上のようなことを綴っていきます。
ブルーライトとは
ブルーライトとは、目に見える光(可視光)のうち、青色の領域を指す言葉です。
虹が「赤橙黄緑青藍紫」と7色ありますが、これらの領域が可視光です。それぞれ赤↔橙↔黄↔・・・の間は急に色が変わるわけではなく、グラデーション用にゆっくり色が変わっていきます。
その中のだいたい青色っぽい領域がブルーライトで、波長が380-500nmの光です。
波長は赤色のほうに行くほど長くなり、赤より長い波長を赤外線と言います。
逆に紫色に近づくほど波長は短くなり、紫より短い波長を紫外線と言います。
赤橙黄緑青藍紫
長い←波長→短い
波長が短いほど、光のエネルギーは強くなり、紫外線などでは皮膚が焼けて日焼けをします。
また紫外線によって生じやすくなる目の病気は実際にあります。
ブルーライトカットメガネとは
ブルーライトカットメガネは名前の通り、ブルーライトをカットするメガネです。
ただし、ブルーライトを全てカットするメガネは普通使われません。(あっても色味の変化が強く見にくいメガネです)
カット率が20~50%程度がよくメガネ店で置いてあると思います。
カット率が高いほどその色をカットする遮光眼鏡になるのでレンズの色が濃くなります。ただしブルーライトは波長に幅のある領域を指す言葉ですので、50%カットという表記に関しても注意が必要です。その規格によって同じカット率でも実際のカット具合が異なったり、意味が違ったりします。
詳しくは以下の記事を参考にどうぞ。
ブルーライトカットの効果・効能
ブルーライトは眼精疲労や体内時計に影響する可能性があるとして広まりました。
しかし現在のところ、ブルーライトをカットしても眼精疲労に対しての効果はないという結論になっています。
しかし光の一部をカットするわけですから、単純にまぶしさを少し軽減することにはつながります。
使用する側としては、気持ち的側面が大きいですね。
「何となく響きがよい」「話題だから」という、心理面が大きいと思います。
売り手側としては、利益面が大きいです。話題になって利益を上げるための一つの方法ですね。
別に使っても構わないけど、すごい効果があるわけではない、という話です。(使いたければどうぞ。・・・私は使っています!←)
子どもへの使用は推奨しない
一方で子どもへのブルーライトカット眼鏡の使用は推奨されていません。
こちらは2021年に日本の眼科関連学会
- 日本眼科学会
- 日本眼科医会
- 日本近視学会
- 日本弱視斜視学会
- 日本小児眼科学会
- 日本視能訓練士協会
が共同で声明文を出しています。
理由としては、
「小児にとって太陽光は目の成長に必要であり、太陽光のうちのブルーライトをカットすることが悪影響を与える可能性がある」
ということです。
もちろんこれも、「可能性がある」でよくわかっていないのですが、上記のように眼精疲労にも効果がなく、わざわざ子どもの視力成長に必要な太陽光の一部をカットする必要性は全くないよね、ということで推奨しないという形になっています。
まとめ
- ブルーライトに眼精疲労軽減効果はない
- 光の一部をカットするので視界の色味は少し変わる
- 気持ち的に効果があるかもしれない(プラセボ効果?)
- 子どもへのブルーライトカット眼鏡の使用はやめたほうがよい
「ブルーライトカットには効果がない」ということを知った上で、使うか使わないか選択するとよいかもしれません。
ちなみに私もブルーライトカット眼鏡は持っていますが、レンズの色が少し変わって、視界の色味が少し変わって、疲れが取れる感じは特にしないですが、使い勝手が悪いわけではないですし、困ることもないです。
子どもには使わないようにした上で、自由にしたらよいということですね。(これも悪影響の可能性がある、というだけでよくわかっていません)
子どもの視力成長に悪い影響を与える可能性があることに関連して、子どもの視力成長については以下の記事を参考に。
ちなみに今は更新されていない研究会、「ブルーライト研究会」というものがあります。眼科領域の著名人ばかりが名を連ねていて当時はいろいろ期待されていたんでしょうね、、、。気になる方は検索してみると、当時の論文などがいろいろ紹介されています。
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