患者さんの身体に障害が残ったときに、障害者手帳と障害年金の2つの申請手続きを考えなくてはいけません。
2つの違いは
- サービスなのか
- 年金なのか
が大きくことなりますが
今回、それぞれの概要と2つを比較して記載しました。
障害年金はいろいろと条件があるので注意が必要です。一方で障害者手帳にも指定医などの制限がありますので、確認しましょう。
目次
障害者手帳は、補助やサービスを受けるためのもの
障害者手帳は
- 身体障害者手帳
- 療育手帳(知的障害)
- 精神障害者保健福祉手帳(精神障害)
の3種の手帳を総称した呼称です。眼科における視覚障害者は1.の身体障害者に該当します。
身体障害者手帳の特徴
- 身体障害者福祉法に基づく
- 都道府県、指定都市又は中核市において障害の認定や交付を行う
- 都道府県知事、指定都市市長または中核市市長が指定する医師(指定医)の診断書・意見書が必要
- 申請は福祉事務所または市役所にて行う
障害者手帳は様々な補助やサービスを受けるための、地方自治体の公的サービスです。
サービスには以下のようなものがあります。
身体障害者手帳によるサービス・補助
- 医療療費・装具費などの助成
- 所得税、住民税・自動車税など税の控除
- NHK受信料の減免
- 交通機関の運賃割引
- 公共施設(美術館、映画館、アミューズメント施設など)の利用料割引
- 上下水道料金の割引
- 公営住宅の優先入居
- 携帯電話利用料金の割引など
- 就職に関して障害者雇用枠を使える
手帳を受け取るための条件は?
- 身体障害者としての障害基準を満たせば取得可能
- 年齢制限はない(法律上18歳以上とのことだが取得できる)
とのこと。年齢制限に関しては市役所のホームページを参考にしています。
眼科(視覚)における障害者の基準は以下の記事で書いています。
医療者側のポイントとしては
- 指定医でないと書けない
ということがあります。
障害年金は、年金を受けるためのシステム
- 日本年金機構による年金サービス
- 障害基礎年金と障害厚生年金に分かれる
- 初めて医師の診療を受けたときの加入年金(国民年金か厚生年金か)で決まる
- 初診日から1年6ヶ月以上経過していること
障害年金は20~65歳の方で、条件を満たせば年金を受け取れるシステムです。
障害年金を受け取るための条件は?
- 20歳以上65歳未満であること
- 20歳以上60歳未満の方→国民年金に加入していること
- 60歳以上65歳未満の方→国内に住んでいること
- 公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料を納付していること
- 初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
- 障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)に1級または2級の障害を認めること
具体的な障害の等級に関しては、眼科においては以下に記事にまとめています。
医療者側のポイントとしては
- 医者は誰でも書ける
- 初診日が大事
ということになります。
障害者手帳と障害年金の比較
比較表を作ってみました。
身体障害者手帳 | 障害年金 | |
---|---|---|
概要 | 医療や税金の補助、公共設備などのサービス | 年金の支給 |
団体 | 地方自治体 | 日本年金機構 |
事前条件 | なし | 年齢(20~65歳) 過去の年金の支払いに問題がないこと |
申請条件 | ・障害者等級に該当すること ・症状固定と判断(約6ヶ月※内容による) | ・障害年金等級の1級か2級に該当 ・初診日から1年6ヶ月経過 |
医師 | 指定医 | 医師(指定医でなくてよい) |
更新 | なし ※症状緩和・改善の可能性がある際は再認定あり | 1~5年ごと(疾患による) |
まとめ
- 身体障害者手帳は、補助・サービスを受けるためのもの
- 障害年金は、年金を受けるためのもの
- 障害年金は、受け取るための条件が多く更新もある
- 障害者手帳は、指定医しか書けない
以上、障害者手帳と障害年金の違いについてまとめてみました。
視覚障害における認定するための基準は、それぞれ障害者手帳と障害年金で異なります。
以下にそれぞれ詳細を貼っておくので、必要時確認していただければと思います。
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