緑内障の原因分類 細かすぎて覚えてられません?!

緑内障診療ガイドライン第5版を元に分類を記載しましたが、正直ここまで細かな分類が必要なのか?

と思いますが、口出しはこれくらいにしておき、記載していきます。

目次

緑内障の分類

原因別の緑内障を分類すると以下のような感じになります。

  1. 原発緑内障
    1. 原発開放隅角緑内障(広義)
      • 原発開放隅角緑内障(狭義)
      • 正常眼圧緑内障
    2. 原発閉塞隅角病
      • 原発閉塞隅角緑内障
      • 原発閉塞隅角症
      • 原発閉塞隅角症疑い
      • 原発閉塞隅角病
  2. 続発緑内障
    1. 続発開放隅角緑内障
    2. 続発閉塞隅角緑内障
  3. 小児緑内障
    1. 原発小児緑内障
      • 原発先天緑内障
      • 若年開放隅角緑内障
    2. 続発小児緑内障
      • 先天眼形成異常に関連した緑内障
      • 先天全身疾患に関連した緑内障
      • 後天要因による続発緑内障
      • 白内障術後の緑内障

ここに、進行度としての前視野緑内障や、高眼圧症などが入ってきます。

原発緑内障

原発緑内障(primary glaucoma)は、何かに続発した緑内障ではない緑内障、すなわち原因が他にない緑内障のことを言います。

原発開放隅角緑内障(広義)

原発開放隅角緑内障(広義)では、隅角が開放していること、すなわち隅角が閉じていない(閉塞隅角ではない)ことが重要です。広義では眼圧の値は関係なく、細分類で眼圧値によって、原発開放隅角緑内障(狭義)か正常眼圧緑内障に分類されます。

原発開放隅角緑内障(狭義)

原発開放隅角緑内障(primary open angle glaucoma:POAG)は

  • 開放隅角であり
  • 眼圧が21mmHg以上のもの

ただし緑内障ガイドライン(第5版)では、日本人の基準としては20mmHg以上とする方が合理性があると述べられています。

正常眼圧緑内障

正常眼圧緑内障(normal tension glaucoma:NTG)は

  • 開放隅角であり
  • 眼圧が正常範囲内(21mmHg未満)のもの

眼圧が正常範囲内ということです。正常値下限より低い(10mmHg未満)の場合はどうでしょう?

他に原因がなく視野障害が進行するようなら、NTGと言えそうです。ただし眼圧が充分に低いので進行スピードは遅いと思われます。しかし眼圧に影響する他の因子を調べておく必要はあります。(角膜厚や日内変動)

原発閉塞隅角病

原発閉塞隅角病(primary angle closure disease:PACD)は、新たに定義された呼称で、以下のものを含みます。

原発閉塞隅角緑内障

原発閉塞隅角緑内障(primary angle closure glaucoma:PACG)は、他の要因なく加齢などにより隅角が閉塞、眼圧上昇をきたし、既に緑内障性視神経症を生じている状態。

  • 隅角閉塞+
  • 眼圧上昇 or 周辺虹彩前癒着+
  • 緑内障性視神経症+

原発閉塞隅角症

原発閉塞隅角症(primary angle closure:PAC)は、隅角閉塞があり、眼圧上昇・周辺虹彩前癒着(PAS)を生じているが、まだ緑内障性視神経症を生じていない状態。(いわば前視野緑内障の段階)

  • 隅角閉塞+
  • 眼圧上昇 or 周辺虹彩前癒着+
  • 緑内障性視神経症-

原発閉塞隅角症疑い

原発閉塞隅角症疑い(primary angle closure suspect:PACS)は、隅角閉塞はあるが眼圧上昇もPASも認めず、緑内障性視神経症も認めない状態。

  • 隅角閉塞+
  • 眼圧上昇 or 周辺虹彩前癒着-
  • 緑内障性視神経症-

急性緑内障発作

原発閉塞隅角緑内障、原発閉塞隅角症の中で、急性に発症するもの。急性原発閉塞隅角緑内障(acute PACG)、急性原発閉塞隅角症(acute PAC)。

  • 眼圧上昇がしばしば 40~80 mmHg
  • 視力低下、霧視、光視症、眼痛、頭痛、悪心、嘔吐、対光反射の減弱・消失、中等度散瞳、充血などを認める

続発緑内障

続発緑内障(secondary glaucoma)は、他の原因があって生じる緑内障のことで、具体的には他の眼疾患、全身疾患、薬物使用が原因となって眼圧上昇が生じる病態を指します。

続発開放隅角緑内障

隅角は開放しているので、眼圧が上昇する機序としては

  1. 線維柱帯と前房の間の房水流出抵抗の増大
  2. 線維柱帯自体に房水流出抵抗の増大
  3. Schlemm菅より後方に房水流出抵抗の増大

の3パターンがあります。

  • 1は血管新生緑内障の開放隅角期、異色性虹彩毛様体炎、前房内上皮増殖など
  • 2が最も多く、副腎皮質ステロイドの使用、落屑物質の沈着、アミロイド沈着、ぶどう膜炎後、水晶体物質、外傷後、内眼手術後、眼内異物、眼内腫瘍、Schwartz症候群、虹彩色素沈着など
  • 3は上強膜静脈圧の亢進、上眼静脈圧の亢進など

続発閉塞隅角緑内障

隅角が閉塞していること自体が眼圧上昇の原因であり、以下の4パターンに分けられます。

  1. 瞳孔ブロック
  2. 瞳孔ブロック以外による水晶体前方移動
  3. 水晶体より後方組織の前方移動
  4. 前房深度に無関係に生じる虹彩周辺前癒着
  • 1はぶどう膜炎後や内眼術後の炎症性の癒着
  • 2は膨隆水晶体、水晶体脱臼など
  • 3は眼内腫瘍、後部強膜炎、原田病などのぶどう膜炎による毛様体脈絡膜剥離、悪性緑内障、眼内充填物質、眼内出血など
  • 4は血管新生緑内障の閉塞隅角期、ICE症候群、手術・外傷など

小児緑内障

緑内障の診断基準(2 項目以上)

  • 眼圧が 21 mmHg より高い(全身麻酔下であればあらゆる眼圧測定方法で)
  • 陥凹乳頭径比(cup‒to‒disc ratio:C/D比)増大の進行、C/D比の左右非対称の増大、リムの菲薄化
  • 角膜所見(Haab 線または新生児では角膜径 11 mm 以上、1 歳未満では 12 mm 以上、すべての年齢で 13 mm 以上
  • 眼軸長の正常発達を超えた伸長による近視の進行、近視化を認める
  • 緑内障性視神経乳頭と再現性のある視野欠損を有し、視野欠損の原因となる他の異常がない

緑内障疑いの診断基準(1 項目以上)

  • 2 回以上の眼圧測定で眼圧が 21 mmHg より大きい
  • C/D 比増大などの緑内障を疑わせる視神経乳頭所見がある
  • 緑内障による視野障害が疑われる
  • 角膜径の拡大、眼軸長の伸長がある

原発先天緑内障

原発先天緑内障(primary congenital glaucoma:PCG)は発症時期によって

① 出生前または新生児期(0~1 か月)
② 乳児期(1~24 か月)
③ 遅発性(2 歳以上)

に細分類される、原発小児緑内障です。

若年開放隅角緑内障

若年開放隅角緑内障(juvenile open angle glaucoma:JOAG)は、4歳以降に発症する原発小児緑内障です。

先天眼形成異常に関連した緑内障

全身所見との関連が明らかではない眼形成異常が出生時から存在する場合の、続発小児緑内障です。

先天全身疾患に関連した緑内障

  • Down 症などの染色体異常
  • 結合組織異常(Marfan 症候群、Weill‒Marchesani 症候群、Stickler 症候群)
  • 代謝異常(ホモシスチン尿症、Lowe症候群、ムコ多糖症)
  • 母斑症(神経線維腫症、Sturge‒Weber 症候群、Klippel‒Trenaunay‒Weber 症候群)
  • Rubinstein‒Taybi 症候群
  • 先天性風疹症候群

などによる続発小児緑内障です。

後天要因による続発緑内障

出生時にはなく生後に発生した後天要因によって発症した緑内障です。

  • ぶどう膜炎
  • 外傷(前房出血、隅角離解、水晶体偏位)
  • 副腎皮質ステロイド
  • 腫瘍(良性/悪性、眼内/眼窩)
  • 未熟児網膜症

など

白内障術後の緑内障

白内障術後に発症した緑内障で、小児緑内障の診断基準を満たすものです。

結論

分類細かすぎ

開放隅角緑内障、続発緑内障の分類はよいとして、閉塞隅角緑内障は視野障害の有無などで細かい分類があります。ならば開放隅角も視野障害の有無での分類もあってはいいのでは?(よくわかりませんが)小児緑内障はここまで細かく分ける必要あるのでしょうか。(よくわかりません)

現在の日本の緑内障の分類でした。

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