適切な診療フォロー間隔と、性格と病院収益と医療費

患者さんの診療は、外来と入院に分けられます。

  • 外来は何かあったときに受診する段階、定期検査が必要な場合などの対応で、受診して診察を受けて会計して帰ります
  • 入院は外来受診した結果、より精密な検査やより強力な治療をする必要があるときの対応で、病院にお泊りします

今回は外来患者における、次回いつ受診するように勧めるかについてです。

医学的な理由以外にも、その医者の性格、知識、経験値、医療機関(病院かクリニックか)などで変わってくるので掘り下げてみます。

目次

適切な診療フォロー間隔とは?

次回の外来診察の時期として

  • 状態が悪化しすぎて手遅れにならないタイミング
  • その状態への治療効果がでて変化が現れるタイミング

このあたりを参考にしてお伝えすることが多いとは思いますが、これには病気の重症度、病気の急変度が関与してきます。

重症な病気であれば早めに次回の診察をしたほうがよいし、急激に悪化したりする急変度が高い病気であれば、同様に次回の診察は近いうちにしたほうがよいです。

一方、たいしたことのない状態であれば終診(次回は来なし)でもよいし、急激に悪化するようなものでなければ診察期間は長めにとっても問題ありません。

基本的にはこのように、その病状によって次回の診察時期を決めており、それは医学的な判断から決めているということになります。

「医学的な面で適切だと思われる時期に次回のフォローをする」これだけのはずですが、しかし実際には、おかしな話ですが、様々な要因で診察フォロー間隔は変化していきます。

病状をみて次回診察時期を決めるのが医学的判断

診察フォロー間隔は医師の性格で変わる

心配性な医師

「何かあったらよくないので」の心配性な考え方、自信がない性格などの場合、次回診察の時期は早くなります。早めに来てもらえれば、万が一何かあっても、早めに対処ができるからです。心配になってしまうのは知識や経験が少ないから、という部分も関係していると思います。

これは患者さんのことを思ってのことでもあると同時に、たくさん受診をしなくてはいけないという患者さんの負担にもつながり、医療コスト増大にもつながります。

楽観的な医師

「何かあったときは来てね」の楽観的な考え方、大雑把な性格の場合、次回診察の時期は遅くなるか、次回はなしになります。病院は本来何かあったら来るようなところですから、本来はそれでよいと思います。

しかし、知識や経験が少ないと心配でフォロー間隔が短くなることがある一方、無知による勘違いでフォロー間隔を長くあけてしまっているというパターンもありえます。また、「何かあったら」は患者さんにゆだねている状態であり、患者さん自身が体調の変化を感じてわかるものであればよいですが、わからない場合、または本来わかるようなことでも子どもや高齢者はうまく伝えられなかったり認識できなかったりして、病状の悪化を見逃してしまう可能性もあります。

一概にどちらがよい、というものではありませんが、偏り過ぎるとよくないなとは思います。

医師の性格によってフォロー間隔は変わる

診察フォロー間隔は患者の性格で変わる

医療従事者の性格の面でも診察のフォロー間隔は変わりますが、患者側の性格でも変わります。

  • 医師が「大丈夫だからしばらく先でいいですよ」と伝えても
  • 患者側が「心配だからすぐ来たいです」というパターン

や、

  • 医師が「重症だから次回もすぐ来てくださいね」と伝えても
  • 患者側が「そんなにすぐには来れないです」というパターン、来ないパターン

前者の場合は、どうしても予約を早くとって欲しいと言われたり、予約取らなくてもすぐ来てしまう方などもいます。後者の場合は、音沙汰なくどうなっているのか不明な場合と、ものすごく悪くなって戻ってくるパターンがあります。

患者側の性格でも診察フォロー間隔は変わる

診察フォロー間隔は環境・立場で変わる

外来診察をする医師のメインは病院かクリニック(開業医)です。どちらに所属しているかでフォロー間隔は多少変わってきます。病院に勤務している立場の医師と、自分のクリニックを持っている開業医では多少違いがあります。

多くは忙しさ、利益が関係してきます。

勤務医の場合

基本的に給料は歩合制ではないことが多いため、自身が勤務時間内にどれだけ患者を診ても、給料は変わりません。

となると、必要以上に無駄にたくさんの患者さんを見ることは、日々の仕事が忙しくなり疲弊するだけであり、無駄にフォロー間隔を短くしたいと思うことはありません。

必要最低限での期間で次回の診察をすることが、勤務医にとっても楽ですし、患者さんにとっても楽です。

ただし自分の給料に関係なく、病院の利益をあげようとする場合は、次に述べる開業医同様にフォロー間隔は短くなります。

開業医の場合

開業医の場合は患者を診た分だけ収益が変わってきます。診察して稼いだ診療報酬点数の分だけ、収益に繋がってきます。

非常に患者数が多く、何も気にしなくても患者が溢れている開業医であれば別かもしれませんが、患者数が少ないところ、少しでも収益を多く得たいと考えるところなどでは、全体的にフォロー間隔が短くなります。フォロー間隔が短ければ、その分だけ患者来院回数が増え、診療報酬点数が増え、開業医の利益となるからです。

医療機関の形態によりフォロー間隔は変わる(多くの場合は忙しさと収益が関係する)

診察フォロー間隔と病院収益と医療費

医療費と医療機関収入は患者さんの自己負担と、国民の税金から成り立っています。

患者さんが病院受診する分だけ、医療費は増大し、すべてではないですが医療機関は収益を得て、医療従事者の給料となります。患者さんが来なければ医療費は下がりますが、医療機関は収益が減り、赤字となり、閉業することになります。

もちろん医療機関は外来のみで収入を得ているわけではないですが、外来だけで収入を得ている医療機関もありますから、外来患者数はとても大切です。

一方で、あたり前の話ですが、患者さんがたくさんきて収益が上がれば、それだけ医療費もかかっているということになります。

大袈裟に言ってしまうと、儲けている医療機関はそれだけ医療費増大の要因となり、国民の税金負担に繋がっています。一方でその医療機関が提供した医療によって患者さんが健康になれば、社会生産性や消費につながり経済を回す一因にもなります。お金の動きは簡単には判断できません。

診察すれば医療費と病院収益は増える

ずっとフォローしないといけない病気なのか?

世の中には定期的に医療機関を受診しないといけない病気はたくさんあります。

薬を処方され服用している場合は、薬がなくなったら来ないといけないので、基本的に来てもらう必要があります。薬を処方されていない場合でも、病気によっては悪くなっていないか定期的に来てもらう必要がある病気はあります。

一方、ずっとフォローする必要がない疾患、「何かあったら・もし悪くなったらまた来てね」で済む疾患もたくさんあります。

その線引きをどうするかも、医師の裁量によってきますので、それこそ先に述べた

  1. 医師の性格
  2. 病院かクリニックか

などによって変わってきます。

どれが正しいのか?と言われると、性格や環境などによって変わってきますので何とも言えないですが、私自身は病院受診をガンガン推奨するタイプではないので、心配性な患者さんでなければ必要最低限の受診と、何かあったら来てねでよいと思います。

まとめ

  • 医学的には病態を元にフォロー間隔を決めることが正解
  • 心配性の医者の次回フォロー間隔は短い
  • 楽観的な医者の次回フォロー間隔は長い
  • 経験の浅い医師の場合どちらもあり得る
  • 開業医ではフォロー間隔は短くなりがち
  • 病院ではフォロー間隔は長くなりがち
  • 患者が受診することで医療費増大と医療機関の収益につながる

医学的な面で次回フォローを決めるには、経験と知識がある程度ないと難しいかもしれません。

「何でこんなに次回診察が早いのか?」「なぜこんなに重症患者の次回診察を先延ばしにしているのか?」などは、ほとんどは感覚的なところで決めており、具体的な次回診察時期を推奨しているような疾患は限られている状況です。

診察フォロー間隔は、医学的な面と、医師の性格と、医療形態と、患者の性格で決まります。

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