【一般向け】蛍光眼底造影検査とは?検査の注意点

造影検査というとCTやMRIでの造影検査が有名ですが、眼科でも造影剤を用いて眼底写真を撮ることがあります。その概要と注意点について記載しました。

目次

蛍光眼底造影検査とは?

主に腕の血管に点滴を取り、そこに医療用の蛍光剤を注射して、その状態で眼底写真を撮る検査です。

蛍光造影剤が腕の血管(静脈)から心臓へと戻り、心臓から動脈血として全身に運ばれます。

造影剤が網膜血管、脈絡膜血管を通して眼底に広がり、その様子を連続で撮影します。

使う蛍光剤の種類は?

  • フルオレセイン
  • インドシアニングリーン

眼科での造影検査で扱う造影剤は上の二つです。

主にフルオロセインを用いますが、疾患によってはインドシアニングリーンを併用して使います。

どのような病気に行う検査か?

網膜血管の異常が疑われる病気全般です。

  • 糖尿病網膜症
  • 網膜静脈閉塞症
  • 網膜動脈閉塞症
  • 加齢黄斑変性
  • 眼虚血症候群
  • ぶどう膜炎(サルコイドーシス、ベーチェット病、ほか)

などが有名ですが、網膜血管の異常が考えられる疾患では検討される検査なので、病名で言うと非常にたくさんあります。

どのように評価するのか?

  • 目に血流が適切に届いているか(眼動脈や頸動脈の狭窄がないか、あると目に造影剤が届くまでに時間がかかる)
  • 血流がない部分がないか(無血管野の判断)
  • 異常血管がないか(新生血管などの判断)
  • 血管から造影剤が漏れ出ていないか(血管炎の有無など)

主にこれらの内容を確認し、病状の評価と治療方針の選択に重要な検査となります。

検査前、検査中の注意点

  • 体調が悪い場合は検査を中止にする可能性があるので、体調を整えておきましょう。
  • 検査の副作用で嘔気・嘔吐をもよおす可能性があるので検査直前での食事は控えたほうがよいです。
  • 散瞳(瞳が開く点眼)をするので3-5時間見えにくくなり、まぶしく感じやすいです。
  • 眼底写真を連続して取るので検査中はまぶしくて辛いです。
  • 検査の影響、造影剤の影響で迷走神経反射を起こす可能性があります。
  • 造影剤へのアレルギー反応が起こる可能性(嘔気・嘔吐・発疹など)があります。
  • 極めてまれですがアナフィラキシーショックを起こすことがあります
  • 一晩程度、尿が黄色くなります。

基本的には血圧計などのモニターを装着したまま、医療従事者が近くにいる状態で検査します。

したがって何か体調に異変があったときはすぐに気付けますが、気分が悪くなったときは無理をせずすぐに伝えましょう

副作用の頻度

  • フルオレセイン蛍光眼底造影検査における全副作用の発生率は1.1~11.2%
  • インドシアニングリーン蛍光眼底造影検査における全副作用の発生率は0.05~0.68%

日本眼科学会によるまとめ(2011年)では、上記数値となっています。(眼底血管造影実施基準(改訂版)|日本眼科学会)

多いのは嘔気(0.17-6.83%)、嘔吐(0.4-1.2%)で、重症な合併症は0.005-0.48%程度です。

文献によりばらつきがありますが、おおよそ20人に1人程度の確率と考えてよいと思います。

侵襲性のある検査のため同意書が必要です

このように、侵襲性(身体に害を及ぼす可能性)がある検査になります。

したがって、必ず同意書が必要となります。

頻度は高くはないですが、検査を常日頃やっている側としては、嘔気・嘔吐・蕁麻疹などはしばしば遭遇します。

またごく稀ですが、アナフィラキシーショックもやはり起こります。

ただし基本的には、上記で述べたように、副作用の頻度はそこまで高くはありません。

代替の検査

蛍光眼底造影検査は身体に害を及ぼす可能性のある検査です。

身体の状態が悪い人や、アレルギー体質の人は副作用が出やすいため、検査する上で注意したほうがよいです。

OCTA(OCT angiography)

そのまま「オー・シー・ティー・エイ」と呼びます。OCT自体は Optical coherence tomographyの略です。

この検査では造影剤を使わずに、主に網膜血管の血流の評価をすることが可能です。

ただし造影検査と違って

  • 網膜に血流が来るまでの時間
  • 網膜血管から漏れ出ている部位

は、わかりません。

他に欠点としては、蛍光眼底造影検査ほど広角では撮影できないことがほとんどであること、機械の値段が高いので機械を導入している医療機関は限られていることなどがあります。

ただし造影剤による身体への影響は皆無なので、リスクが高い人にはあると便利な機械です。しかし上記のように、OCTAではわからない部分もあるため、状態によっては蛍光眼底造影検査を行う必要があります。

まとめ

  • 蛍光眼底造影検査は、網膜・脈絡膜の血管の血流状態を細かく評価できる検査
  • 造影剤はフルオレセイン、インドシアニングリーンの2種類あり(フルオレセイン単独か、インドシアニングリーン併用か)
  • 造影剤による身体への悪影響が出ることがある(20人に1人程度、約5%程度)
  • 多いのは嘔気、嘔吐、蕁麻疹、などだが、命に関わるアナフィラキシーショックを起こすこともごく稀にある
  • 身体に害のない、OCTAという代替機械が普及してきている(が、検査の質としては劣る部分もある)

この検査が必要と言われた場合

それなりの疾患である可能性か、原因がよくわからない疾患の可能性があります。

概ねここに書いてあることで網羅していますが、よく担当医師の話を聞きましょう。

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