サイプレジン(シクロペントレート)とアトロピンの使い分け 調節麻痺薬

小児の調節麻痺下屈折検査についてです。

1%シクロペントラート(サイプレジン®)、0.25%/ 0.5%/ 1%アトロピン塩酸塩を年齢、遠視の大まかな強さ、内斜視の有無、全身疾患の有無で使い分けて使用します。

目次

調節麻痺薬

アトロピン

  • 調節麻痺力最強
  • しっかりと検査する必要があるときに用いる(年少児、弱視、内斜視、遠視度が強そうな場合)

アトロピンの調節麻痺は強力であるが、手間がかかり、検査後も効果が長く持続する。事前に家での点眼が必要であり、親の協力が必要。1日2-3回、3-7日間点眼する。点眼終了後も効果が2-3週間持続する。

遠視性弱視、調節性内斜視はこちらで。他、年齢、全身疾患(心疾患系)の有無により濃度・使用を考慮。

  • 6歳未満  0.5%アトロピン(0-2歳には0.25%アトロピンも考慮)
  • 6歳以上  1.0%アトロピン

劇薬であり、点眼後に鼻根部を押さえること。発熱、顔面紅潮、口喝、アトロピン中毒などの副作用。

シクロペントレート(サイプレジン®)

  • 調節麻痺力まずまず(残余調節量1-2D)
  • 当日のみの点眼で検査できる。(準備がいらなくて親がラク)

サイプレジンは検査日当日のみの点眼で検査でき、アトロピンより手間がかからない。5分毎1滴点眼を2回行い、約1時間後に調節麻痺が最大となるため検査をする。効果は2-3日持続する。

点眼時の刺激、一過性の幻覚、運動失調、情動錯乱などの副作用。

トロピカミド(ミドリンM®)

効果は他2つと比べ最弱。20-30分後に最大調節麻痺効果あり

通常は調節麻痺下の屈折検査には用いない。

アトロピンとサイプレジン比較表

アトロピンサイプレジン
濃度0.25%/ 0.5%/ 1%(年齢などに応じて)1%
点眼方法1日2-3回 3-7日 その後検査5分おき2回 その約1時間後検査
効果持続期間2-3週間2-3日
残余調節量ほぼなし1-2D程度
副作用アトロピン中毒、顔面紅潮、発熱、口喝、興奮、心悸亢進一過性幻覚、運動失調、精神障害
対象6歳未満児、遠視性弱視、調節性内斜視左以外に

いずれも点眼後は鼻根部を押さえ、極力吸収されないようにし、副作用出現を低めましょう。

眼鏡処方について

調節麻痺下屈折検査は、最適な度数の眼鏡を処方するために行います。眼鏡処方を行わずして完璧な屈折度数を測るというのは、そもそも本末転倒であり、検査の適応を間違えていると考えてよいです。別に行ってもよいですが、ORTや家族の負担を考慮するとなんのため検査??となります。正確な屈折値を知りたいだけの自己満??という話です。

実際の眼鏡処方の度数について

  • 通常は、毛様体筋の生理的トーヌス+0.5D~+1.00Dを引いた度数で処方
  • 調節性内斜視では、生理的トーヌスを引かずに処方することもある(遠視矯正は過矯正のほうがよいという考えから)

参考文献
・屈折異常とその矯正
・弱視・斜視診療のスタンダード(眼科診療クオリファイ)
・眼科学
・眼科検査ガイド など

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