救急車の適正利用*眼科編 目が見えない、痛いはok?

「救急車の適正利用を」というフレーズをよく聞くと思います。軽症なのに救急車を利用する人がいることで、重症な人の元への到着が遅れ重大な後遺症を残したり命に関わることなどが問題となっています。

しかし、どの程度が適正利用で、どの程度が不適正利用かの判断ってわかりますか?

タクシー代わりに使っている一部の非常識人は別として、どのような状態が救急車を使うべきなのかを一般の人が判断するのは困難だと思います。

従って、迷ったらまずは電話してみて、救急隊からの指示を仰ぐのが無難かと思います。

ただし何日も前から続くような症状の場合、基本的に緊急性は低いので、自分で病院を受診しましょう。

目次

目のことで救急車を利用してよいのか?

結論から言うと、良いです。

救急車適正利用の救急度判定プロトコルにも目の症状や外傷のことは記載されています。

目から即座に命に関わることはほぼありませんが、脳梗塞などで脳からの影響で目に症状が出ているパターンがあります。そのような場合は目以外にも症状が出ていることが多いですが、念のため、目単独の症状でも注意はしましょう。

しかしほとんどの場合、目から命に関わることはないので、目の緊急度は命に関わる意味での緊急度とは別に考えた方がよいです。

緊急性としては、命に関わる状態が第一で、命に関わらないが永久的に機能喪失することが第二です。目の場合はほとんどが後者に当たります。

眼の機能喪失としての最重症は、失明です。命が助かったからといって失明していいわけはありませんよね?刻一刻と失明する可能性が高くなる病態は、「緊急度が高い」と言えます。(もちろん、命が第一です)

緊急度の分類

総務省消防庁ホームページの緊急度判定プロトコルでは、以下のような緊急度分類が記載されています。

  • 赤1(緊急):極めて緊急性が高い病態
  • 赤2(緊急):緊急性が高い病態
  • 黄(準緊急):早期受診が必要な病態
  • 緑(低緊急):受診が必要な病態
  • 白(非緊急):医療を必要としない状態

目の緊急度でのMAXは赤2でした。即座に命に関わることはほぼないという判断ですね。

その通りだと思います。

しかし赤2まで記載されているということは、機能喪失の恐れ(失明する恐れ)がある、ということです。

救急車を呼ぶ基準となる眼症状

上記のプロトコルのうち、眼科関連のことが書いてあるのは以下のものでした。

  • 急激な視力障害
  • 視力消失
  • 眼外傷(穿通性外傷、化学熱傷など)
  • 眼痛(眼の疼痛)

これらが赤2~緑の基準で記載されています。

急激な視力障害は、脳卒中の可能性があるとして赤2になっています。単独で目が見えなくなった、ということは多くはないと思いますが、急激に視力が下がった場合は電話してよいでしょう。他に身体症状を伴う場合は早急に連絡したほうがよいです。

化学熱傷は赤2の緊急度です。酸・アルカリの薬剤、洗剤などが目に入った状況です。命に関わることはありませんが、最悪失明する可能性があります。早急に連絡してすぐに受診したほうがよいですが、同時に早急に水道水で目を洗うことが大切です。

外傷は程度がさまざまなので難しいですが、

  • 何かが軽くぶつかって軽いゴロゴロ感があるだけ、程度であれば翌日以降でもよいでしょう
  • 痛みが非常に強い場合や、痛み以外に目が見えない(視力が下がった場合)などの症状がある場合は早急に連絡しましょう
  • 穿通性の自己判断は難しいですが、内容物が出ている状態、眼から液体や血がしたたり落ちるときは、早急に連絡しましょう(そのような場合は基本的に視力も下がっています)

眼痛(目の痛み)は緊急度プロトコルでは脳卒中の可能性があるとして赤2と記載されています(眼痛というよりは目の奥、頭痛?)が、眼痛・頭痛の症状で脳卒中と似た疾患として、急性緑内障発作があります。

こちらは発症すると非常に強い眼痛・頭痛でとても辛く、体調も吐き気や嘔吐するような悪い状態であり、眼はぼやけてよく見えず、放置すると失明します。脳卒中と鑑別が難しいため脳神経科受診後、眼科に送られることなどもあります。従って、これも電話してよいレベルでしょう。

また、眼の症状で見えにくくなってしまった際、

送ってくれる人がいない場合、自力でしか病院へかかることができない場合は、救急車を利用することもやむを得ないと思います。

かかりつけの病院の眼科が夜間対応も行っているようであれば、病院に連絡し医師からの指示を確認する方向でよいと思いますが、そうではない場合は見にくい状態で受診できる眼科を探しそこまで行く、というのはなかなか無理があると思います。

まとめ

  • 救急車の適正利用は素人判断は難しい(迷ったら電話すべき)
  • タクシー代わりに使う人には鉄槌を
  • 目のことで救急車を呼ぶことは問題ない
  • 急激な視力低下、強い眼痛、洗剤が目に入った、眼や周囲のケガなど
  • ちょっとゴロゴロするんだよね~ぐらいの救急車利用には鉄槌を

緊急性を判断する上で、「何日も前から」続いている症状の場合、基本的に緊急性は乏しいです。

何日も続いているのであれば、わざわざそのときに救急車を呼ぶことはせず、早めに自分で受診しましょう。

(何日も続いて段々悪化している場合はこの限りではありません。)

参考文献
救急車の適時・適切な利用(適正利用)|総務省消防庁

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