アイリーア8mg製造販売承認 2mgとの比較と特徴について

2024年1月18日にアイリーア8mgの製造販売承認がなされました。これまでアイリーアは2mgの薬剤が抗VEGF薬として使われてきましたが、薬剤量にして4倍量の製品になります。

具体的な薬価はまだ決まっておりません。

目次

アイリーア8mgの特徴

アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mLの製品概要

  • 販売名:アイリーア®8mg硝子体内注射液114.3mg/mL
  • 一般名:アフリベルセプト(遺伝子組換え)
  • 適応疾患:中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
         糖尿病黄斑浮腫
  • 用法・用量:アフリベルセプト(遺伝子組換え)として8mg(0.07mL)を4週ごとに1回、通常、連続3回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。
  • 製造販売承認日:2024年1月18日
  • 製造販売元:バイエル薬品株式会社
  • 発売元:参天製薬株式会社

参天製薬ホームページより引用

  • 適応は、nAMDとDMEのみ
  • 導入期として4w毎に連続3回投与
  • その後は16w毎に投与する
  • 最短投与間隔は8w

今はやりの、長期間有効なことで投与間隔を延ばし、総投与回数を減らすタイプの薬剤ですね。

投与用量は、今までの他の抗VEGF薬が0.05mLに対し、アイリーア8mgは0.07mLとなります。(そのため濃度が114.3mg/mLという半端な数になっています。)

それによって投与後の眼圧は他よりちょっと上がりそうですね。

アイリーア2mgとアイリーア8mgの比較

アイリーア2mgと8mgの違いを表にまとめました。

注意点としては、下記になると思います。

  • 投与量が0.05mLではなく0.07mL
  • 最低投与間隔が4週間ではなく8週間
  • 適応疾患の違い(8mgはnAMDとDMEのみ

アイリーア8mgの薬価については現時点では不明です。(執筆時2024/1/30)

アイリーアの歴史と期待

アイリーア2mgは2012/9/28に国内承認され、10年以上にわたって眼科領域の抗VEGF薬として非常に多く使われてきた薬剤です。

2020年にベオビュ、2022年にバビースモが販売されるまで、眼科領域の抗VEGF薬はルセンティスとアイリーアの2大勢力でした。自施設ではアイリーアのほうがよく使われておりましたね。

そのアイリーアの8mg版(4倍量)のため、製薬会社側は自信満々かもしれません。(私のところに来たMRは自信満々でした(笑)

実臨床で役に立つレベルで投与間隔の延長、使用本数の減少ができるかは不明ですが、今後に期待です。そして、おそらくですが、長年使われてきた経緯もあるので、よっぽどのことがなければ、たくさん使われるような気がします。

一方で、投与間隔が延びて投与回数が減ることはいいことですが、薬価がそれ以上にかかるようになる場合は意見が分かれそうですね。

まとめ

  • 従来のアイリーア2mgの4倍量のアイリーア8mgが販売承認された
  • 適応は加齢黄斑変性と糖尿病黄斑浮腫のみ
  • 投与量は0.07mL(他の抗VEGF薬は0.05mL)
  • 3回の導入期の後、16週毎に投与する
  • 最短投与間隔は8週間
  • 薬価は現時点では未定

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