「白内障手術後は二度と白内障にはなりません」という医者がいるかもしれませんが
半分正解、半分嘘です。
白内障の意味をどのようにとらえているかで、答えが変わってきます
白内障とは
詳細は以下のページに書いているので参考にしてください。
要は、目の中にある水晶体というレンズが濁ったり、汚れたりすることによって、光が目の奥(網膜)まで届きにくくなることで、見えにくくなる病気(ほとんどが加齢による変化)です。
白内障手術とは
汚れた水晶体を取り除いて、代わりにきれいな人工レンズを入れる手術です。
汚れが取れてきれいなレンズが入るため、光が遮られず目の奥の網膜に届くので、見やすくなります。
白内障術後の状態
白内障術後の状態は以下のイラストのようになります。
- 汚れた水晶体(白内障)が取れた状態
- 水晶体嚢は前方の一部以外は残っている
- 水晶体後嚢(後方の嚢)は白内障手術のみでは基本的に残っている
ここで大事なのは、水晶体の中身の汚れは取れていても、後嚢は残存しているということです。
後嚢は水晶体の嚢の後方の部分のことを言います。つまり、水晶体の一部です。
では、この水晶体後嚢が汚れてしまったらどうなるのか?ということです。
白内障手術後になる白内障
水晶体の後嚢が汚れてしまったら、光の通過する道をじゃましてしまうため、視力が下がります。
白内障手術後に後嚢が汚れてしまった状態を、後発白内障といいます。
これは、白内障術後になる白内障のことを言うので、白内障術後にしかなりません。
ここでタイトルの<白内障手術後は白内障にはならないは嘘か本当か>という話ですが、どこまでを水晶体と認識しているかによって、答えが変わります。
水晶体の中身(皮より内側)は、白内障手術で綺麗に取ります。そういう意味で、白内障手術をする以前の状態の白内障になることはありません。
ですが、水晶体嚢は汚れることで後発白内障になります。そういう意味では、白内障手術後にも後発白内障という白内障にはなります。水晶体嚢は通常の白内障手術では取らずに残ります。
したがって解釈の仕方によって、半分正解で、半分嘘だということになります。
しかし分類としては、後発白内障は白内障の一種ですし、水晶体嚢は水晶体の一部ですから、正確にいえば「白内障手術後にも白内障にはなり得る」が答えです。
まとめ
- 白内障手術後にも後発白内障にはなる
- 白内障手術をする前のもともとの白内障に再びなることはない
「白内障手術後には白内障にはならない」と説明する眼科医で後発白内障を知らない人はまずいませんが、細かいことを言わずに簡潔に伝えるために、そのように言うことはあるかもしれません。
ただし、後発白内障にはなることがありますので、勘違いなさらないようにしましょう。
また、「白内障手術した後はもう見えにくくなることはないですか?」と聞いてくる方は結構いらっしゃいますが
見えにくくなることはない=100%見えにくくならない、という意味だとしたら、そんなことはあり得ません。
別の目の病気にかかれば見えにくくなることはいくらでもあるし、目の周囲の外傷(ケガ)などでもいくらでも起こり得ます。これまで述べてきた通り、後発白内障になることもあります。
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