分層黄斑円孔 原因・症状・診断・治療について

分層黄斑円孔(lamellar macular hole: LMH)について。

黄斑円孔、分層黄斑円孔などと紛らわしい。

目次

概要・病態

黄斑部に非全層性の組織間隙や組織消失、網膜分離などを生じた状態。PVDが生じる際に非全層性の円孔があくと分層円孔となるが、その他でもERMが生じて網膜分離が生じている例、分離網膜の部分が変性している例など、LMHは形態的に多彩である。①牽引型LMHと②変性型LMHに分類されたりする。

牽引型LMH
引用:Lamellar macular hole surgery – current concepts, future prospects
変性型LMH
引用:Lamellar macular hole surgery – current concepts, future prospects

原因

基本的には黄斑円孔と同様で、後部硝子体剥離の際の牽引が黄斑部にかかり、その際に中心窩が全層性に欠損するのではなく、部分的に欠損して生じる。


症状

歪視や視力低下など

所見・診断

眼底検査にて黄斑部中心窩に円孔様所見を認める。検眼鏡的には黄斑円孔や分層黄斑円孔と鑑別が難しいことがある。

OCTでERMや網膜分離を含む分層の円孔(網膜の層自体への影響)がある。

治療・予後

硝子体手術を行う。ERMがあるものはERM除去をする。円孔が大きいものにはLHEP: lamellar hole–associated epiretinal proliferationと呼ばれる中心窩付近の網膜組織を円孔内に埋め込んだりする。ISOSラインが保てていない例などは視機能改善が乏しい可能性がある。


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