硝子体の発生と解剖、機能についてです。
目次
硝子体の発生
- 外胚葉、間葉由来
- 胎生5週、第一次硝子体と硝子体血管系が発生
- 硝子体動脈は前方に伸び水晶体後面を覆う
- 胎生6週、第二次硝子体が網膜側から発生し、第一次硝子体は内側へ押し込まれる
- 胎生12週、硝子体完成
- 第一次硝子体は環状に圧縮されCloquet管となる
硝子体の構造・構成
硝子体の構成
- 眼球容積の約8割、約4~4.5ml、前後径16~17mm
- 重量の99%が水
- 0.9%が低分子物質(電解質、糖、アスコルビン酸など)
- 0.1%が高分子物質(コラーゲン、ヒアルロン酸、可溶性蛋白)
- 硝子体コラーゲンの75%がⅡ型コラーゲン(他、Ⅸ、Ⅴ/Ⅸ、Ⅺ型など)
- Ⅱ型コラーゲンは関節軟骨と類似
- Ⅱ型コラーゲンの間にヒアルロン酸が存在し大量の水を保持
硝子体の構造
- 硝子体ゲル、液化硝子体、硝子体皮質から成る
- 硝子体皮質は硝子体の最外層の膜で、網膜などに接着しており、硝子体細胞を含む
- 硝子体基底部は、鋸状縁の前方1-2mmと後方2-3mmの毛様体扁平部、網膜、硝子体で構成され、網膜と強固に接着している
- 硝子体基底部より前方の前部硝子体皮質と、後方の後部硝子体皮質から成る
- 硝子体前面は水晶体後嚢にWieger靭帯が輪状に接着しており、その付近の空間をBerger腔、Garnier腔という
- そこから視神経乳頭までCloquet管が伸びており、乳頭前方部はMartegiani腔という
- 成分は一様ではなく、上述の管と、黄斑前方には液化した空間があり、後部硝子体皮質前ポケット(岸ポケット)という
硝子体の機能
- 透光体:ほぼ透明で300-1400nmの光を約90%透過する
- 眼球形態保持
- 眼圧維持
- 外力に対するショック緩衝など
硝子体の変化
- 後部硝子体剥離(加齢により生じる変化)
後部硝子体皮質前ポケットと後部硝子体剥離
硝子体の細かな解剖は意外とわかりにくく、あいまいになっている人もいると思うのでまとめます。 硝子体網膜界面疾患(黄斑前膜、黄斑円孔、VMTSなど)を理解するには、…
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