基本的に眼科の予約時間は、眼科検査の開始時間であり、診察の開始時間ではありません。
予約としては診察の予約を取っているのが普通ですが、診察の前には眼科の検査がたいていあります。診察は検査が終わってからになるため、予約時間よりは遅くなることが多いです。
今回はこの辺りの他の科と異なる理由と、検査におけるおおよその所用時間などをまとめます。
とはいえ、システムの違いなど関係なく患者数が非常に多ければ、科に関係なく待ちます。
内科の検査は他部署で行う
内科
- 別部署での検査(採血、レントゲン、心電図、CT、MRIなど)
↓ - 結果が出てから、内科診察へ
病院において、内科などでは基本的に、採血検査をはじめとして、必要に応じてレントゲン、CT、MRI、心電図、超音波検査などの検査をし、その検査結果を確認した上で、診察になります。
診察は内科の外来にて行いますが、検査は基本的に別の場所で行います。採血なら採血検査室、レントゲンやCTは放射線部、心電図や超音波は生理機能検査室、という具合です。部署が違うので、そちらで検査をしてから外来待合で待つことになります。
予約が必要な検査の場合はその検査の予約を診察時間よりも前にして、検査結果が出る頃の時間を目安に診察の予約を取ります。
予約が不要な検査の場合、診察の予約時間までに検査の結果が出ていることを前提として、患者さんには来院する時間を調整していただくことになります。
つまり診察する側からすると、診察予約時間よりも早く来て検査を終えておいてほしい、さらに診察時間には検査結果が出ているような時間帯に来て欲しいということです。
「採血をしてから結果が出るまでに1時間程度かかるから、診察予約時間の1時間前までには採血検査が終わるように、1時間半程度前に病院に着くようにしよう」という感じです。
早く来なくてもいいのですが、検査結果が出ないと方針が決まらないため、結局は後回しにされ待つはめになります。
眼科の検査は眼科外来で完結する
眼科
- 眼科外来で検査(視力検査、眼圧検査、眼底検査、視野検査など)
↓ - そのまま眼科診察へ
眼科では基本的に眼科外来で検査が完結します。他部署へ行く必要はありません。もちろん採血や、その他CTやMRIなどを行うこともあります。
予約時間に眼科外来に来た人から順に、眼科外来で検査が始まっていきます。検査が一通り終わったら、そのまま医師の診察になります。
予約時間に関係なく早く来た人から順に検査をしてしまうと、早く来た人ほど検査は早く終わります。診察も検査が終わっていないとできないので、検査が終わった順で診ていたら、わざわざ予約制にしている意味がありません。
したがって、検査員の手があいている場合は予約時間よりも早く検査をしてくれる場合もありますが、基本的には予約時間に近い人で早い人順に検査をしていきます。
たとえば、予約時間が10時であり9時に来院したしても、基本的には予約時間の10時から眼科の「検査」が開始されますので、検査の種類・量にも依りますが、スムーズに検査が終わっても診察が10時半とか11時とかになることはあります。
眼科に予約時間よりもずっと早く来て、検査もされず診察もされずずっと待っていた、という患者さんがしばしばいますが、こういう理由になります。
したがって、眼科においては予約時間よりも早く来る必要はなく、予約時間少し前に来ていただければ充分です。早く来すぎても、その人よりも予約時間の早い人が後から来たら、後から来た人を優先することは充分にありえます。
とはいえ、もちろん予約システムの違いによることだけでなく
前の診ていた患者さんの容態が難しい場合などには、時間がどんどんおしてしまい、長くお待たせしてしまうことはあります。
眼科検査でかかる時間の目安
以下の目安は、検査に慣れた者が検査を行って、患者の待ち時間がゼロの状態を想定しています。実際には、検査のあいだあいだで順番待ちが発生しますので、さらに時間はかかります。
初診で診察まで
問診、屈折値、眼圧、視力測定(裸眼・矯正)
全部待ち時間なくスムーズにいけば10~15分程度でしょう。
再診の視力・眼圧検査
5分程度あれば終わるでしょう。視力は以前のデータを参考にして検査しますので、視力の変化があまりなければすぐ終わります。病気によって視力が下がった場合などはそこから一番矯正視力が良い度数を見つける必要があるため、もう少し時間がかかります。
散瞳
眼底検査をするために散瞳薬の目薬を付ける場合は、最低でも15~30分程度はかかります。散瞳しにくい人の場合などは、何度か点眼を付けるなどして、もう少し時間がかかることもあります。
眼底検査
無散瞳でも眼底撮影はできるものもありますが、正確に眼底を診察する上では、散瞳が必要です。
無散瞳で眼底写真を撮るだけであれば数分で終わります。
散瞳してから眼底写真を撮る場合は、数分の撮影時間+散瞳中の待ち時間が必要です。
蛍光眼底造影検査
眼底検査のうち、蛍光眼底造影検査は時間がかかります。検査自体が最低10分程度、点滴の取り外しなどの対応でプラス10分前後はかかるでしょう。
視野検査
視野検査の種類にも依りますが、両眼検査をする場合10~20分程度は最低でもかかるでしょう。
検査時間の合計
たとえば、再診の人で、視力検査や視野検査を行ったあとに眼底検査をする予定の人がいたとしましょう。
視力・眼圧(5分)→視野(10-20分)→散瞳(15-30分)→眼底写真(5分前後)
と考えると、検査がスムーズにいったとしても検査開始から40-60分程度はかかるわけです。それから診察になりますから、予約時間と診察の時間は大きくずれてきます。
そこに、もちろん外来の混み具合などによって、検査自体で待つこともあるし、診察がつまっていて遅れることもあります。混んでいれば待つのは眼科に限らず、何でもですね。
まとめ
- 眼科の予約時間は、眼科検査の開始時間
- 内科などの予約時間は、診察の開始時間
- 内科では事前に検査を終えた上で、予約時間に外来で待つ
- 眼科では予約時間に外来にきて、検査を終えてから外来で待つ
すべての医療機関で上記があてはまるというわけではありませんが
多くはこのような予約システムになっているのではないかと思います。
なるべく待たせないように診療を行っていますが、早く来たのにその分余計に待った、というようなことにはならないようにしましょう。
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