眼科 抗VEGF薬まとめ 2026年3月版

眼科領域の抗VEGF薬の最新の状態でまとめます。

以前まとめた2022年からはいろいろ変わっていますので、改めて記事にしました。最初にまとめた表から始めていきます。

目次

抗VEGF薬 まとめ表

商品名、一般名以外で特徴的なところは太字にしています。薬価は特にルセンティス、アイリーアは複数あるので大まかに書いています。

昔と比べて変わった点

  • アイリーア8mgが出た(2024/4)
  • アイリーアBSが出た(2026/2)
  • バビースモにRVO(網膜静脈閉塞症)に伴うCMEが適応追加になった(2024/3)
  • バビースモにAS(網膜色素線条)に伴うCNVが適応追加になった(2025/5)
  • ベオビュにPDR(増殖糖尿病網膜症)が適応追加になった(2025/11)
  • 薬価が変わった(最終2025/8)

抗VEGF薬の種類

ペガプタニブ(マクジェン®)

  • ボシュロム・ジャパン
  • 承認:2008、販売中止:2020/2

既に廃盤の抗VEGF薬

ベバシズマブ(アバスチン®)

  • 世界初の血管新生阻害薬
  • 国内承認:2007/4/18
  • 結腸がん、直腸がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、乳癌、悪性神経膠腫など
  • 眼科領域では保険適応外

昔は他の抗VEGF薬が承認されていない眼疾患にしばしば使われていましたが、最近はどうなのかは知りません。自施設ではもう使わなくなりました。

眼科領域には承認がない薬剤(抗がん剤)

ラニビズマブ(ルセンティス®)

  • メーカー:ノバルティス
  • 国内承認:2009/3
  • バイオ後続品あり(2021)

適応疾患

  • 加齢黄斑変性(AMD)
  • 網膜静脈閉塞症(RVO-CME)2013/8-
  • 近視性脈絡膜新生血管(mCNV)2013/8-
  • 糖尿病黄斑浮腫(DME)2014/2-
  • 未熟児網膜症(ROP)2019/11-

※BS(バイオ後続品)の適応疾患はROP以外の4疾患

アフリベルセプトBSが出るまでは安さでは1番だった。

正式な眼科抗VEGF薬としては一番長く存在している薬剤

アフリベルセプト(アイリーア®)

  • メーカー:バイエル
  • 国内承認:2012/9
  • 高用量の8mgあり(2024/4)
  • バイオ後続品あり(2026/1)

2mgの適応疾患

  • 加齢黄斑変性(AMD)
  • 近視性脈絡膜新生血管(mCNV)2014/9/19-
  • 糖尿病黄斑浮腫(DME)2014/11/18-
  • 網膜静脈閉塞症(RVO-CME)2015/6/26-(CRVOは2013/11/22-)
  • 血管新生緑内障(NVG)2020/3/25-
  • 未熟児網膜症(ROP)2022/9-

※BS(バイオ後続品)の適応疾患はAMD、RVO-CME、DMEの3疾患のみ

8mgの適応疾患

  • 加齢黄斑変性(AMD)
  • 糖尿病黄斑浮腫(DME)

2mgBSが出たことで一番価格が安い薬剤になった(BSの適応は一部のみ)

最も使われている薬剤であり、2mgBSと8mgで使い分けも可能になった

ブロルシズマブ(ベオビュ®)

  • メーカー:ノバルティス→千寿製薬とプロモーション提携(2026/2)
  • 国内承認:2020年
  • 非感染性の眼内炎(IOI)が他薬剤より出やすい
  • 発症したときはSTTAを含む消炎治療、硝子体手術など
  • PDR(増殖糖尿病網膜症)に適応拡大(2025)

適応疾患

  • 加齢黄斑変性(AMD)2020/5
  • 糖尿病黄斑浮腫(DME)2022/6
  • 増殖糖尿病網膜症(PDR)2025/11

今だに瞬間的な薬剤パワーとしては強い印象あり

ファリシマブ(バビースモ®)

  • メーカー:中外製薬
  • 国内承認:2022/5
  • VEGFとAng-2の2つに働くバイスペシフィック抗体
  • RVO(網膜静脈閉塞症)に伴うCMEに適応拡大(2024/3)
  • AS(網膜色素線条)に伴うCNVに適応拡大(2025/5)

適応疾患

  • 加齢黄斑変性(AMD)2022/5
  • 糖尿病黄斑浮腫(DME)2022/5
  • 網膜静脈閉塞症(RVO-CME)2024/3
  • 網膜色素線条(AS-CNV)2025/5

抗Ang-2によって「血管安定化させて落ち着かせる」が言われ続けている薬の特徴。AMDにおける網膜下出血が少なくなるという傾向も示されている。

「Ang-2で血管安定化」

まとめ

抗VEGF薬は、適応疾患の拡大、バイオ後続品の出現、高用量の出現、薬価改定など、いろいろありすぎて、かなり忙しない分野です。また、萎縮型AMDに対するアイザベイ(抗VEGF薬ではない)なども出てきており、網膜疾患に対する硝子体注射薬の発展は目まぐるしい状態です。

一応昔の書いたまとめ記事も貼っておきます↓

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