眼圧というのは、眼科において非常に重要な指標の一つになります。
つまり目の病気において重要な数値ということです。
何というの目の病気で重要かというと「緑内障」です。
眼圧はほとんどの場合、緑内障のため気にしていると言っても過言ではないくらい、緑内障に重要なのです。
なぜ眼圧が重要で、緑内障が重要かというと、失明の原因の第一位だからです。(下記参照)
眼圧について説明していきます。
眼圧=目の圧力(目の硬さ)
眼圧とは、目の圧つまり目の硬さのことです。
めだま は眼球(eye ball)とも言います。球です。ボールです。
サッカーボールを例にしてみます。同じ大きさのサッカーボールでも、硬さが違うと蹴り心地が違いますよね。
空気が抜けてて柔らかいもの、空気がしっかり入っていて硬いもの。中に入ってる空気の量で、中の圧が変わるからです。
それと同じように、めだまにも圧があります。目の中は空気ではなく水分ですが、水分の量によって圧が変わるのは同じです。(つまり、水圧のようなもの)
- 強膜 :外壁。サッカーボールで言うボールの革の部分
- 角膜 :目の前方の外壁。透明である
- 硝子体:卵の白身のような、ゼリー状の水分
- 房水 :栄養を含んださらさらの水分
- 網膜 :光の情報を受け取る部分
- 視神経:網膜からの情報をたばねて脳へ送る部分
網膜、視神経の詳しい役割はこちらを参考にしてください。
房水の循環
目の中の圧は、水分による水圧だということをお伝えしました。
その水分のことを、房水(ぼうすい)と言います。目の中には絶えず房水が循環しています。
目の細胞が死なないように栄養の入った房水が血液から目の中に入り、それが隅角という出口から目の外に流れていきます。
綺麗な栄養のある水が流れつづけることで、目の中の細胞に栄養が届きます。
なので、目に穴があくと中の水分が外に漏れ出て目がつぶれます。
眼球破裂、眼球穿孔などと言いますが、非常に重症な病気です。
眼圧の正常値
10~20mmHg程度と言われます。(10~21mmHgとの記載があったり多少異なりますが、あまり気にしなくてよいです)目の中の房水の循環が問題なくいくことで、これくらいの圧が保たれます。
なぜこれくらいが正常値かというと、ほとんどの人がこれくらいの圧に収まるからです。
しかし、この正常範囲の眼圧にも関わらず緑内障になってしまう人が多く、緑内障の中でかなりの割合を占めます。
これを正常眼圧緑内障と言います。眼圧は正常範囲内の値なのに緑内障なのです。
つまり一般的に言われている眼圧の正常値は、あくまで目安であり、必ずしも正常範囲内だから大丈夫、というわけではありません。
ただし眼圧は高いと緑内障にはなりやすくなるため、低い方がよいです。
眼圧が高いと何が悪いか
眼圧が高いと緑内障になりやすくなります。
深海に行くと、普通の潜水艦など、地上のものはつぶれてしまいます。
外からの圧が非常に高いからです。圧力によって押しつぶされてしまうわけですね。眼圧も同様です。
目の圧が高いと、目の中の細胞が押しつぶされて細胞が死にます。
とくに、目の神経である視神経(ししんけい)が圧に弱く、つぶされていきます。これが緑内障です。
目の中には絶えず水が入ってきますが、そのままでは圧が高くなりパンパンとなって、圧によって目の神経が死んでしまいます。
なので、水の流れの出口が存在します。
外に水が流れることによって、圧が高くなり過ぎず、一定に保たれるわけです。
眼圧が高くなる原因
「房水が目の中へ入ってきて、外へ出ていく」、この状態がおかしくなると眼圧が変化します。
- 目の中へ入る房水の量が多くなる
- 目の外へ出る房水の量が減る
眼圧が上がる場合は、上の2パターンになります。
しかし実際にはほとんどの場合、目の水の流れの出口が詰まって、出にくくなることが原因です。
目の圧が高くなると、視神経は押しつぶされやすくなり、緑内障になりやすくなります。
そうならないために、様々な点眼薬を用いて眼圧を下げることが、「緑内障にならない」「緑内障が進行しない」ようにするための治療になります。
まとめ
- 眼圧とは、目の中の圧、目の硬さのこと
- 目の中には水分(房水)が入って出ていくという循環がある
- 出口がふさがって房水が出ていかないと目の中の圧は上がる
- 目の中の圧に押されて、視神経は障害されやすい
- 眼圧が上がるとより視神経は障害されやすくなり、緑内障となる
圧は下げておくほうが、緑内障にはなりにくくなります。
しかし圧が低すぎるのも実は問題になってしまいます。
問題にならない程度で低い眼圧はというと、5~10mmHg程度ですが、10mmHg以下であればかなり眼圧は低いと言ってよいでしょう。
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