ドルーゼンの種類まとめ 硬性・軟性・癒合・パキ・偽ドルーゼン

ドルーゼンの種類についてまとめます。

そもそもは加齢黄斑変性の前駆病変として大事なドルーゼンでしたが

現在はパキコロイドという概念からパキドルーゼンというものも出現し

昔からありましたが、reticular pseudo drusenという偽ドルーゼンもあります。

また高齢者の眼底では、病的意義のない中心窩外のドルーゼンもしばしば見かけます。

ということでドルーゼンに関してまとめていきます。

目次

眼底写真による比較

3つのドルーゼンについて。

Drusen and pachydrusen: the definition, pathogenesis, and clinical significance :Eye (2021) 35:121–133より引用

Aがreticular pseudo drusen、Bがsoft drusen、Cがpachydrusen

  • reticular pseudo drusenは小さく、黄斑の周囲に多く、境界明瞭(萎縮型AMDやRAPに関連)
  • 軟性ドルーゼンは大小様々で癒合することもあり、黄斑中心に多く、境界は不明瞭(滲出型AMDに関連)
  • pachydrusenは不規則に散在、孤立してもみられ、境界は明瞭(パキコロイドに関連)

色はどれもだいたい黄白色

ドルーゼンの種類

「通常の」ドルーゼン

通常のドルーゼンはAMDと関連し、AMDの前駆病変とされています。

Drusen and pachydrusen: the definition, pathogenesis, and clinical significance :Eye (2021) 35:121–133より引用

A:カラー眼底写真、B:OCT Bscan、C:FAF、D:赤外光画像

  • AMDの前駆病変
  • AMDに関連するので黄斑に多い
  • 部位は網膜色素上皮~ブルッフ膜の間(RPEより下)
  • サイズによって硬性と軟性に分かれる
  • サプリメントでのAMD進行予防効果

硬性ドルーゼン

  • 小さく辺縁が鮮明なもの
  • サイズは <63µm

軟性ドルーゼン

  • 大きく辺縁が不鮮明もの
  • サイズは >63µm(癒合するとどんどん大きくなる)

視神経乳頭縁の静脈経(約125µm)の半分のサイズ

癒合ドルーゼン

  • 軟性ドルーゼンが集積、癒合したもの

drusenoid PED

  • 軟性ドルーゼンが癒合して大きくなりPEDを形成したもの

reticular pseudo drusen

訳は網状偽ドルーゼン(?)

Drusen and pachydrusen: the definition, pathogenesis, and clinical significance :Eye (2021) 35:121–133より引用

A:青色光、B:OCT Bscan

  • 黄斑部に認める黄白色粒状病巣と、周辺部に認める網目状病巣
  • 黄斑耳上側に多い
  • 部位は網膜色素上皮の上(通常のドルーゼンはRPE下)
  • サイズは 125-250µm
  • OCTでは三角錐状の構造で網膜内に突出する
  • 萎縮型AMDと網膜血管腫状増殖(RAP)と関連

cuticular drusen

  • 小型で均一な多数の黄白色ドルーゼン
  • 網膜色素上皮基底膜~ブルッフ膜の内膠原層の間の蓄積物
  • OCTでは鋸歯状のRPE隆起
  • 後天性卵黄様病変やCNVを合併することがある

pachydrusen

パキコロイドに関連するドルーゼン

Drusen and pachydrusen: the definition, pathogenesis, and clinical significance :Eye (2021) 35:121–133より引用

A:カラー眼底写真、B:FAF、C:OCT Bscan、D:en face OCT

  • 網膜色素上皮の下
  • サイズは >125µm
  • 脈絡膜が厚い
  • type1 MNVやPCV、CSCと関連する

まとめ

  • ドルーゼンの種類はたくさんある(硬性、軟性、癒合、drusenoid PED、reticular pseudodrusen、cuticular dorusen、pachydrusen)
  • 蓄積物がRPEの上なのか下なのかに着目
  • それぞれが関連しやすい黄斑疾患がある

黄斑部から遠い場所にあるドルーゼンはほとんど問題になりませんが、頻度で言えばそこそこ見かけると思います。

個人的には高齢者の鼻側網膜に散在するドルーゼンをよく見かけますが、あれは何ドルーゼンなのでしょう。

・Drusen and pachydrusen: the definition, pathogenesis, and clinical significance :Eye (2021) 35:121–133
・眼科学
ほか

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