ドルーゼンの種類についてまとめます。
そもそもは加齢黄斑変性の前駆病変として大事なドルーゼンでしたが
現在はパキコロイドという概念からパキドルーゼンというものも出現し
昔からありましたが、reticular pseudo drusenという偽ドルーゼンもあります。
また高齢者の眼底では、病的意義のない中心窩外のドルーゼンもしばしば見かけます。
ということでドルーゼンに関してまとめていきます。
目次
眼底写真による比較
3つのドルーゼンについて。
Aがreticular pseudo drusen、Bがsoft drusen、Cがpachydrusen
- reticular pseudo drusenは小さく、黄斑の周囲に多く、境界明瞭(萎縮型AMDやRAPに関連)
- 軟性ドルーゼンは大小様々で癒合することもあり、黄斑中心に多く、境界は不明瞭(滲出型AMDに関連)
- pachydrusenは不規則に散在、孤立してもみられ、境界は明瞭(パキコロイドに関連)
ドルーゼンの種類
「通常の」ドルーゼン
通常のドルーゼンはAMDと関連し、AMDの前駆病変とされています。
A:カラー眼底写真、B:OCT Bscan、C:FAF、D:赤外光画像
- AMDの前駆病変
- AMDに関連するので黄斑に多い
- 部位は網膜色素上皮~ブルッフ膜の間(RPEより下)
- サイズによって硬性と軟性に分かれる
- サプリメントでのAMD進行予防効果
硬性ドルーゼン
- 小さく辺縁が鮮明なもの
- サイズは <63µm
軟性ドルーゼン
- 大きく辺縁が不鮮明もの
- サイズは >63µm(癒合するとどんどん大きくなる)
癒合ドルーゼン
- 軟性ドルーゼンが集積、癒合したもの
drusenoid PED
- 軟性ドルーゼンが癒合して大きくなりPEDを形成したもの
reticular pseudo drusen
訳は網状偽ドルーゼン(?)
A:青色光、B:OCT Bscan
- 黄斑部に認める黄白色粒状病巣と、周辺部に認める網目状病巣
- 黄斑耳上側に多い
- 部位は網膜色素上皮の上(通常のドルーゼンはRPE下)
- サイズは 125-250µm
- OCTでは三角錐状の構造で網膜内に突出する
- 萎縮型AMDと網膜血管腫状増殖(RAP)と関連
cuticular drusen
- 小型で均一な多数の黄白色ドルーゼン
- 網膜色素上皮基底膜~ブルッフ膜の内膠原層の間の蓄積物
- OCTでは鋸歯状のRPE隆起
- 後天性卵黄様病変やCNVを合併することがある
pachydrusen
パキコロイドに関連するドルーゼン
A:カラー眼底写真、B:FAF、C:OCT Bscan、D:en face OCT
- 網膜色素上皮の下
- サイズは >125µm
- 脈絡膜が厚い
- type1 MNVやPCV、CSCと関連する
まとめ
- ドルーゼンの種類はたくさんある(硬性、軟性、癒合、drusenoid PED、reticular pseudodrusen、cuticular dorusen、pachydrusen)
- 蓄積物がRPEの上なのか下なのかに着目
- それぞれが関連しやすい黄斑疾患がある
黄斑部から遠い場所にあるドルーゼンはほとんど問題になりませんが、頻度で言えばそこそこ見かけると思います。
個人的には高齢者の鼻側網膜に散在するドルーゼンをよく見かけますが、あれは何ドルーゼンなのでしょう。
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