ベオビュが2022年6月20日に、加齢黄斑変性だけから糖尿病黄斑浮腫への適応拡大となりました。
患者数が多く、難治性のものもしばしばあるDMEですが、ベオビュの適応拡大、他にも最近はバビースモの登場など、治療の選択肢がどんどん増えてきていますね。
どのように使っていくかは病院ごと、個人ごとによりますが、簡潔に用量用法など記載します。
用法および用量
用量用法は、KESTREL試験とKITE試験での結果を受けての内容となっています。
〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を4 週ごとに1 回、連続3回(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、通常、12 週ごとに1 回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8 週以上あけること。〈糖尿病黄斑浮腫〉
ブロルシズマブ(遺伝子組換え)として6mg(0.05mL)を6週ごとに1回、通常、連続5回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、12週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。
添付文書より
実際の臨床では、TAEやPRNなど患者さんの状況や希望に合わせて微調整して使うと思いますが
ベオビュは
- 最低8week以上あける
- AMDでは導入期は3回、4week毎に投与
- DMEでは導入期は5回、6week毎に投与
ということになりますが、導入期5回ってなかなか多いですね。
症状所見が改善していれば治療の中止は医師の判断になるので(維持期も12週ごと永遠に打つわけではないので)、必ずしも5回MAXに打つとは限りませんが、5回も導入期に打てるのであればかなり強力に治療できるのではないでしょうか。
DMEの治療
DMEの治療はいろいろあります。
- 今回承認されたベオビュを含め、その他の抗VEGF薬(ルセンティス、アイリーア、バビースモ)
- STTA(トリアムシノロンテノン嚢下注射)
- IVTA(トリアムシノロン硝子体注射)
- 漏出点に対する網膜光凝固
- 硝子体手術
など
基本的には治療は優先すべき順序として
- 効果が強い治療
- 副作用が少ない治療
- 侵襲性が少ない治療
- 金額が高くない治療
といった観点から考えるのが基本だと思います。
IOIの観点からは、いきなりベオビュを使うという流れにはなりにくいと思いますが(推測)
難治性のDMEに対してはスイッチして使用してみるのもありかなと思います。
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