新薬アレジオン眼瞼クリーム 適応疾患はアレルギー性結膜炎のみ

参天製薬と田辺三菱製薬から「アレジオン®眼瞼クリーム0.5%」(一般名:エピナスチン塩酸塩)が共同販売されました。2024年3月26日に承認取得し、2024年5月22日に薬価収載され、発売開始となりました。

「世界で初めての1日1回上下眼瞼(眼周囲)へ塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療」というものになります。

アレルギー性結膜炎疾患の治療薬はこれまで点眼薬でしたが、今回まぶたに塗布することでアレルギー性結膜炎に効くという目新しいものになります。

目次

アレジオン®クリームの適応疾患

  • アレルギー性結膜炎

眼瞼に塗布しますが、適応はアレルギー性結膜炎のみです。アレルギー性の眼瞼腫脹などにも効きそうですが、あくまで適応は結膜炎です。

アレジオン®クリームの使い方(用法・用量)

  • 1日1回上下眼瞼(眼周囲)へ塗布する

眼軟膏とは異なり、眼表面に直接つけるものではありません。眼に直接入ってしまった場合は洗い流すことが推奨されています。

効き方として、眼瞼に塗り込んだ成分がまぶた内を浸透し、眼瞼結膜へ届き、さらに眼球結膜にも広がる、というものです。

長時間効果が持続するため1日1回の塗布になります。

おすすめの使用時間

夜間就寝前、入浴後などに塗布することで、効果が24時間持続します。

点眼薬だと忙しい起床後や、活動時間の日中・夕方・夜に適宜付ける必要がありますが、その必要がないため、使用法に慣れれば楽だと思います。

アレジオン®クリームの薬価

  • 0.5%1g 1,686.70円
    →1本2g、3373.40円

アレジオンLX点眼液の薬価が2528.5円/1本であり、点眼薬と比べ1本当たりの値段は高いですが、

  • 点眼薬:25日で消費されるとして計算
  • クリーム:33日で消費されるとして計算

上記のように計算されており、どちらも一日あたり約100円の計算で、価格は実質同じと考えてよいです。

個人的な感想・評価

アレジオンLX点眼薬と同じ価格で(他のアレルギー点眼薬であればもっと薬価の低いものもありますが)、夜間・入浴後に1度塗布するだけで効果があるということなので、使い方に慣れれば便利かと思います。

一方で、眼軟膏と違って直接目に入れてはいけない、など、眼科に慣れている人だと逆に勘違いが起こりそうです。

使い方が従来のアレルギー性点眼薬と全く異なるため、患者側の希望により処方量が増減しそうです。(使い方が楽だと言う人が多ければたくさん出るし、点眼薬のほうがいいと言う人が多ければ増えない)

適応はアレルギー性結膜炎のみですが、抗アレルギーの薬効からは、アレルギー疑いの眼瞼腫脹などにも効果は期待できそうであり、個人的にはそちらのほうにより使いたいと思える製品です。(おそらく同様に考える眼科医はたくさんいると思いますし、そういう使われ方が多くなりそうな気がします)

まとめ

  • アレルギー性結膜炎の新薬、眼瞼に塗布するアレジオンクリーム発売
  • 薬価はアレジオンLX点眼薬と実質同じ
  • 適応はアレルギー性結膜炎のみだが、瞼のアレルギーにも効きそうな予感(適応はない!)

眼瞼疾患にも適応拡大されるとよいと思います。

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