網膜色素変性症 診断基準・重症度分類

網膜色素変性症の診断基準と重症度分類について。

目次

症状・所見

自覚症状

  • 夜盲
  • 視野狭窄
  • 視力低下
  • 羞明・昼盲

臨床検査所見

①眼底所見

  • 網膜血管狭小
  • 粗造な網膜色調
  • 骨小体様色素沈着
  • 多発する白点
  • 視神経萎縮
  • 黄斑変性

②網膜電図の異常(減弱型、陰性型、消失型)

③眼底自発蛍光所見で網膜色素上皮萎縮による過蛍光または低蛍光

④光干渉断層像で中心窩におけるエリプソイドゾーンの異常(不連続、消失)

診断基準

  • 進行性であること
  • 自覚症状で1つ以上認めること
  • 眼底所見で2つ以上認めること
  • 網膜電図異常を認めること
  • 炎症性・続発性でないこと

これら全てを満たすものを指定難病として網膜色素変性症と診断する

重症度分類

重症度分類のⅡ度以上の者を対象とする

  • Ⅰ度
    矯正視力0.7以上、かつ視野狭窄なし
  • Ⅱ度
    矯正視力0.7以上、視野狭窄あり
  • Ⅲ度
    矯正視力0.7未満、0.2以上
  • Ⅳ度
    矯正視力0.2未満

※視力・視野は良好な目の測定値を用いる
※視野狭窄は中心残存視野がゴールドマンⅠ/4指標で20度以内のもの

まとめ

これらをまとめると

  • 進行性であること(「〇年前からあって、以前より悪化してきた」でok)
  • ERGの異常があること
  • OCT、FAFは必須ではないが、黄斑萎縮を説明するのに使ってもok
  • 視野検査も必須ではないが、片眼視力0.7以上ある場合は、視野狭窄を示さないと指定難病受給者証をもらえない(両眼とも0.7未満であれば視野検査はいらない、ということになる)

※ただし障害者手帳を同時に取得する場合が多いので、普通は視野検査は行います。

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